ハロー引越センターは東京都府中市に本社を構え、東京都近辺で引越しを考えている人向けの中小引越し業者です。東京近郊以外では、引越し一括見積もりサイトを利用しても見積もりには来ない、規模が小さな引越し業者です。
そうはいっても日本の引越しは東京都発であることが非常に多いですから、今後ハロー引越センターが有名になることも考えられます。
ハロー引越センターってどんな会社?
ハロー引越センターは、1997年5月に設立された会社です。長野県や京都府にも「ハロー引越センター」という名前の引越し屋さんが複数あるのですが、会社ホームページによれば総従業員数は85名しかいないため、それらのうちいくつかは今回紹介する「ハロー引越センター」とは関係のない町の引越し屋さんである可能性がありますので、注意しましょう。
ハロー引越センターは長距離引越しにフェリーをよく使う
ハロー引越センターのホームページには、「東京から北海道・沖縄・九州・四国への長距離引越しはフェリーでおこなう」という記載があります。
しかし、ハロー引越センター自体は全国展開をしていないので、ハロー引越センターのフェリーを使用した引越しは、現住所ではハロー引越センターが作業をおこない、家財はコンテナに載せ替えフェリーで新居まで送り、新居ではハロー引越センターではない別の引越し業者が運ぶといった形を取っているはずです。
中小引越し業者にはよくあることなのですが、上のような長距離引越し方法をおこなってしまうと、家財の紛失・物損が起きた際の責任所在が分からなくなり、家財の保証をしてもらえなくなります。
さらに、作業効率の面で言えば、四国への引越しにフェリーを使うのはハッキリ言ってメリットがありません。なぜなら、フェリーを利用して運ぶよりも瀬戸大橋や本州四国連絡道路を使ってトラック輸送した方が時間的に早いですし、料金も大して変わらないからです。そのため、長距離引越しでハロー引越センターを使うメリットはないと言えるでしょう。
ハロー引越センターはペット輸送をおこなっている、しかし…
ハロー引越センターは引越し時のペット輸送もやっているのですが、本当に業者にペット輸送を頼まなければいけない理由がある場合でない限り、ペットの輸送は自分でおこなうことをおすすめします。大手引越し業者が「ペット輸送」をしていないのは運べないからではなく命の保証ができないからです。
また、ハロー引越センターにペット輸送を任せるにしても費用は掛かるはずですから(オプション)、同じ料金を支払うのであればペット輸送専門の業者に依頼をした方が確実で安心できるでしょう。
ハロー引越センターのオリコンランキングにおける立ち位置はかなり低い
実際に引越し業者を利用した人たちの口コミ・評価によって構成されているオリコン引越しランキングにおいて、ハロー引越センターは2016年から2018年までの3年間の間に一つの部門のノミネートされていません。
オリコンランキングは、作業件数自体が多くトラブルが発生する確率も上がってしまう大手引越し業者よりも、作業件数の少ない中小引越し業者の方が有利とされているのですが、ハロー引越センターのようにあまりにも利用者が少なく口コミ自体が一定に届かない業者であると、評価の対象外とされてしまうのです。
仮に「利用者が少ないけど評価は悪くない」と言った業者については、「推奨企業」として別枠で紹介されることもあるのですが、ハロー引越センターは推奨企業枠にも入ったことがないので、もしかしたら評価自体も低いのかもしれません。
ハロー引越センターに引越しを任せる際の注意点
ハロー引越センターは建物に対する養生をしない場合がある
ハロー引越センターのホームページには、家屋の階段、エレベーター、オートロックには養生を貼るいう記載はあるのですが、肝心の部屋への養生に関する記載はないため、少し不安が残ります。
そもそも、なぜエレベーターとオートロックに養生をすることを強調しているかというと、それは修理費がとんでもなく高く、請求が管理会社や大家を通じてくるため、逃げようがないからです。もし、物損対象が「あなたの部屋もしくは家財」であれば、手八丁口八丁で逃げることが可能でしょうが、企業が相手になるとそうはいきません。
そのため、ハロー引越センターの養生に関する記載は、「家屋には養生貼るから安心ですよ」という意味合いよりも、「私たちはエレベーターとオートロックという壊したら高額になる物に対しての養生だけは絶対にやってます!なのでちょっとやそっとの傷では賠償しないですからね!」という意思表示をしているようにも見えます。
ハロー引越センターの「ウォーターサーバー無料体験」に疑問
ハロー引越センターで引越しを契約すると、クリクラのウォーターサーバーが無料で貸し出してもらえ、しかも12リットルもの水を無料で試飲することができます。これだけを聞くとお得感が強いように感じますが、特段ハロー引越センターと契約をしなくても、クリクラの無料試飲サービスは受けることができます。
そして、本機と水12リットルが体験できるとはいえ、3ヶ月以上ウォーターサーバーを解約せずにいたらウォーターサーバーレンタル費用がしっかり請求されるため、普段からあまり水を飲まない人が「無料だから」と言って軽い気持ちで契約してしまうと損をすることもあります。
もちろん、大手引越し業者にもウォーターサーバーに関して似たようなサービスはありますが、ハロー引越センターのようにあたかも「当社で契約した方限定!」という宣伝方法は景表法的にも気がかりです。もしハロー引越センターの営業マンから「当社で契約したお客様にはウォーターサーバーの無料体験が必ず付いてきます。」などと説明を受けた場合は注意しましょう。
実は引越し業界ではウォーターサーバーを営業マンが契約してくると会社が給与を上乗せすることが多いため、顧客の無知を利用して金を稼ごうとしている営業マンが後を絶ちません。
本当に良い営業マンは、ウォーターサーバーの無料試飲についてメリットとデメリットの両方を教えてくれるので、ウォーターサーバーの話をされたから条件反射で断るのではなく、営業マンがどんな話をしてくるのかを聞いてあげましょう。
ハロー引越センターの家電の無料設置サービスには落とし穴がある
普通の引越し業者なら洗濯機やエアコン、テレビの配線を取り外すのは無料でやってくれるのですが、取り付けに関しては電気工事専門の業者に任せるため別途費用が発生します。また、引越し作業の現場作業員と電気工事の作業員は別行動であるために、引越し作業が終わっても電気工事の作業員が来るまで新居で待っていないといけないことが多いです。
しかしハロー引越センターに引越しを任せれば、洗濯機やテレビの配線取り付けなど一部の電気工事は現場作業員が無料でやってくれます。
それだけを聞くと、ものすごく気の利く良いサービスだと感じるでしょうが、電気工事に費用が発生していないということは、そもそも現場作業員が取り付けをやったという証拠が残らないため、どんなトラブルが発生しても保証する必要がないということです。
例えば、洗濯機の取り付けが上手くいかないと配管のつなぎ目から常に水が流れ出し、床を濡らすことになります。使い始めてすぐに水漏れに気付けば大した損害にはなりませんが、引越し後に家を空けて旅行に出かけたりなんかすると大変です。
場合によっては部屋全体がびしょぬれになり、フローリングや畳を替える必要が出てきたり、最悪の場合はマンション全体に浸水をして億単位の賠償金を請求された例もあるほどです。
正直のところ、大手引越し業者の現場作業員は洗濯機やテレビの配線取り付けも簡単にできます。それでも彼らが電気工事をやらない理由は、上記のようなトラブルが起きた際の保証ができないからです。
つまり、無料で電気工事をやってくれるというのは、極端な言い方をすれば「適当にやってトラブル起きても保証する気は元々ないし、無料なんだからあなたも文句言えないでしょ?」と引越し業者から言われているのと一緒です。
ハロー引越センターの見積書は大手引越し業者との交渉に使えない
以上の点から、ハロー引越センターについては以下のようにまとめることができます。
- フェリーを利用して長距離引越しを受け持っているが信用できない
- オリコンランキングにおいては評価対象外
- 建物保護の面で不安が残る
- ウォーターサーバー無料体験が怪しい
- 電気工事は一部無料・保証無し
本来、大手引越し業者と値引き交渉をするときは、中小引越し業者の見積もりを先に取ってから「〇〇引越社ならこのくらいでやってくれると言っていたのですが…。」と交渉していくと簡単に値引きしてもらえるのですが、ハロー引越センターレベルの無名の会社になると、営業マンから、
というように、全く相手にされない場合もあります。もちろん、引越し見積もりサイトを利用して見積もり予約をしたときに、ハロー引越センターが見積もりに名乗りを上げてきた場合は見積もりを取ってみましょう。もしかしたら、他の引越し業者よりもハロー引越センターが魅力的に映る場合があるかもしれません。
利用した人の評判・口コミというのは引越し業者を選ぶ上で非常に重要な資料であると言えますが、引越しは「サービス業」である以上、作業が終わるまではどう転ぶか分かりません。
もちろん中小引越し業者よりも大手引越し業者の方がすべての面で安心できることは事実ですが、中小引越し業者だって素晴らしい引越し作業をすることがあります。それを見積もりの時点で見極めることは難しいですが、それでも各引越し業者によって強みや売りは違うので、複数の業者から相見積もりは取るべきであると言えるでしょう。