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日本通運の評判・口コミ~引越しの値引き交渉が最も難しい引越し業者

日本通運の引越しのイメージ

ここ十数年でのインターネットの普及により、引越しの見積もり予約方法は格段に進化しました。

インターネットが一般家庭に普及する前までは、引越しの見積もり予約はタウンページなどの電話帳から引越し業者を探し、一社ずつ自分でアポイントを取るという手段が多く取られていましたが、今や「引越し侍」などの引越し見積もりサイトを使えば一瞬で複数の引越し業者と連絡が取れ、しかも引越し業者の方から連絡をもらえるという時代になりました。

なぜこんな話をするかというと、今回紹介する「日本通運」はその知名度から、インターネットが普及する前までは不動の売上1位を誇る引越し業者であったからです。

今となってはサカイ引越センターやアート引越センターなど、大手引越し業者にトップを譲ることになってしまいましたが、それでも未だに引越し業界における大手として名が挙がる業者ではあります。今回は日本通運が引越し業界ではどんな位置づけであるのか紹介したいと思います。

日本通運ってどんな引越し会社?

日本通運とは物流業者のトップ企業であり、今や国内を飛び出して海外の物流も担っている、日本を代表する物流業者です。

サカイ引越センターが年間売上ランキング1位となった2012年までは、「引越しは日通」のCMの通り、売上は断トツ1位でした。翌々年の2014年には、もう一つの大手引越し業者であるアート引越センターにも売上を超されて3位となってから2017年まで順位の変更はありません。

ただし、日本通運は単身引越し以外のコストパフォーマンスが非常に悪く、2018年オリコン引越しランキングの「コストパフォーマンス部門」において10社中9位とほぼ最下位であり、総合でも5位とあまり振るっていません。

それでも売上ランキングが安定している日本通運は、以下のような性質を持つ業者であると言えます。

①日本通運は法人向けの引越し、転勤・単身赴任(海外を含む)に強い

日本通運は転勤や単身赴任など、会社都合の引越しにとても強く、会社から引越し業者を指定される場合は日本通運であることが非常に多いです。

なぜ日本通運が引越専業の業者よりも会社都合の引越しが強いのかというと、それは365日全国を自社のトラックが走り回っているからです。引越専業のトラックは確かに長距離を走ることもありますが、あくまでメインは一日で作業が終わる距離間での引越しであり、毎日のように地方へトラックを走らせるわけにはいかないのです。

日本通運であれば長距離引越しに関して、トラックだけでなく貨物列車を使っての移送も自社でまかないきれるため、仮に都合よくトラックが手配できなかったとしてもあまり心配をすることはありません。

また、日本通運は昭和12年創業の老舗中の老舗であるため、引越しだけでなく物流面で関係を持っている会社が多く、物流からの流れで、「会社都合の引越しが発生した場合はぜひ日本通運で」といった契約が交わされていることが多いのです。

物流業最大手の日通だからこそ、他社がやりたがらない海外への引越しもスムーズに行うことができます。

さらに、会社の事務所移転など法人向けの引越しについては経験が豊富、かつ日本通運独自の保険も存在するため、値引きをしてリスクを負いながら中小引越し業者に任せるより安心できるでしょう。

②日本通運は「単身引越し」に強い

日本通運以外の引越兼業でも言えることですが、物流業者はよく単身者の引越しについて「単身パック」という定額プランを用意しているため、日本通運も例に漏れず単身者の引越しについては強いです。

引越兼業の物流業者の強みは365日全国を走り回る流通網であり、複数の単身者の家財を同じトラックに合積みして運ぶ「混載便」や、東京から地方へ向かうトラックの手配が引越専業の業者よりも圧倒的に楽である点にあります。

もちろん、定額制のプランですから、値引き交渉に応じてもらえない可能性が高いなどのデメリットも存在しますが、使い方によっては引越専業の業者に任せるよりも安くなることがありますので、下記のページを参考にして、条件に合わせて単身パックを有効に活用しましょう。

③日本通運は作業員を多数投入する(事故が起こりにくい)

日本通運は、一件の引越しに対して引越専業の業者の倍以上は作業員を使用します。顧客側としては一見悪くないように感じる判断ですが、作業時間を比べても引越専業の業者の倍早いわけではないどころか、時には引越専業の業者に任せたときよりも遅いこともありますので、詰まる所「人件費を無駄に割いている」ということになるでしょう。

言い換えれば、事故を起こさないよう丁寧に運んでいるとも言えるため、物損事故重視で考えるなら日本通運という選択肢も考えられるのですが、引越専業の業者に任せれば半日以内で終わる作業が一日作業になってしまうこともあり悪い口コミも目立ちます。

そのため、引越し作業を早く終わらせたいというあなたは、日本通運ではなく引越専業の業者へ引越しを依頼した方がよいでしょう。

【参考】2018年オリコン引越しランキング有名どころ4社比較表

引越し業者 総合 作業内容 コスパ 営業対応
日本通運 5位 5位 9位 4位
アート引越センター 1位 3位 6位 1位
サカイ引越センター 3位 2位 8位 5位
ヤマトホームコンビニエンス 4位 4位 2位 2位

日本通運で見積もりを取る注意点

会社としての規模の大きさから安心面的には問題のない日本通運ですが、見積もり時には以下のような注意点が存在します。

①日本通運の営業マンは値引き交渉に応じてくれない

日本通運は引越し料金については日本一高い引越し業者であり、他の引越し業者が脂汗をかきながら精一杯値引き交渉に臨んでいるのに対して、日本通運の営業マンは家財や付帯作業を確認したあと引越し料金を提示したら、契約するか否かを聞いて帰るという手法をよく取っています。

同じ引越兼業でありながら、会社自体はしっかりと分けているヤマトホームコンビニエンスと違い、日本通運の引越しはあくまで「日本通運という物流業者の引越し部門」という本当の意味の引越兼業であるために、ヤマトホームコンビニエンス以上に「安値で契約するくらいなら他の業務にトラックを回そう」という色が強いです。

したがって、日本通運の見積もりを取る際には値引きについて期待をしない方がよいでしょう。

②日本通運は引越し見積もりサイト経由で滅多に見積もり予約ができない

日本通運を含む引越兼業の業者は、複数の引越し業者から見積もりを取る「相見積もり」をする上で、最も一般的な見積もり予約方法である引越し見積もりサイト経由で予約を取ることが難しいです。

引越し見積もりサイトは、サイト上であなたの入力した引越し条件を見て、「この引越ならうちでできる!」と名乗りの挙げた、引越し見積もりサイトと提携している引越し業者が連絡をしてくるというシステムなのですが、日本通運は引越し見積もりサイトと提携しているにも関わらず、滅多に連絡をしてくることはありません。

そもそも日本通運の単身パック以外の引越しに対する考え方は、「主な業務は物流だから、無理な値引きをして大量の引越し作業件数を取るうま味はない。単価が大きい引越しを会社の信頼を武器に高額で契約できればラッキー。」というような考えなので、引越し見積もりサイトを利用しても絶対に見積もり候補に挙がるとは限らないのです。

そのため、日本通運で引越しの見積もりを取りたい場合には、引越し見積もりサイトではなく日本通運のホームページから予約する必要があります。

日本通運は単身パックを使わない限り見積もりに呼ばなくてもよい!

以上の点をまとめると、日本通については以下のようなことが言えます。

  1. 会社都合の引越しを多く引き受けている
  2. 作業員を大量に使って引越しをおこなう割に作業スピードが遅い
  3. 引越し料金は日本一高い
  4. 引越し見積もりサイト経由では見積もり予約しづらい

以上の点を踏まえると、日本通運は単身パック以外の引越しに関して言えば、料金は決して安いものではありませんし、作業時間も早い方ではないのに、わざわざ自らホームページから予約をしてまで見積もりを取る必要はないというのが私の印象です。

3~4月の引越し業界における繁忙期になれば、引越し見積もりサイト経由でもちらほら見積もり候補に挙がってくることはありますが、全体的に引越し料金が高くなる繁忙期でも日本通運の提示額はずば抜けて高いため、契約候補にすら挙がらないというが現状です。

しかし、定額制の単身パックや混載便の取りやすさなどについては引越専業の業者より一枚上手であると言えるので、単身者の引越しについては呼んでも損はない業者であると言えるでしょう。

もちろん、家族引越しだから日本通運は絶対高い、単身引越しなら日本通運だけ呼べば問題ないというわけではありません。日本通運でも家族引越しの見積もりで値引きすることはありますし、単身引越しの見積もりを取ってみたら引越専業の業者の方が安かったなんてこともあります。

引越しはサービス業であるために、あなたの引越したいタイミングによって値段が上下するものなので、見積もりを取ってみないことには相場というものが分かりません。引越しで絶対に損をしたくないという人は、複数の業者から相見積もりを取るべきであると言えるでしょう。