運送業者の単身パックで引越し!注意点は?
単身者が引越し業者を「引越し料金」で選ぶとき、一番最初に目に入るのが、運送業者が提供している「単身パック」ではないでしょうか。
CMでもよく見る大企業が提供しているという安心感、大企業に任せているにも関わらず安ければ20,000円以下で引越しできるというコストパフォーマンスの良さは非常に魅力的です。
表面的なメリットだけ見ると、単身者であれば単身パックを使わない手はないように思えるのですが、一定の条件を超えてしまうと、単身パックは非常に使い勝手が悪くなってしまうのです。
単身パックで引越しする注意点
単身パックと通常の引越しとの最大の違いは、家財がトラックに直接積み込まれるのではなく、「かご台車」と呼ばれる家財を積むための台車に積んで搬送されるという点です。
この「かご台車を使う」という条件が、単身パックが常にお得なプランとは言い切れない理由となります。
かご台車が2台以上になれば割高になる
運送業者の単身パックの料金は、厳密に言えば家財の量で計算されているわけではなく、かご台車の使用数で計算されています。つまり、かご台車1台とダンボール1つの荷物量でも、「かご台車2台分」の引越し料金として計算されるということになります。
余った家財がダンボール1つであれば、自分でも持っていくことができるでしょうが、少し大きい微妙な家財が余った場合は悩みどころ。
私の経験上、かご台車1台で済ませられることは意外と少なく、単身用2ドア冷蔵庫と洗濯機を積んでしまえば、後に積むことができるのはダンボール換算で約15個程度です。
15個と聞くと多いように感じますが、通常の引越しのように洋服や靴をそのまま持っていけるハンガーケースやシューズケースを用意してくれないため、洋服は1度ダンボールに梱包しないといけなくなり、実は15個では済まない場合が多いです。
さらに、かご台車2台になれば引越し料金は30,000円~40,000円程度になるため、通常の引越しで契約するのと大した差はありません。通常の引越しで契約すれば、トラック1台を自分1人のために貸し切りできるため、多少の家財が増えたところで追加料金はありませんし、シューズケースやハンガーケースを無料で貸してくれます。その他資材も準備してくれるため梱包自体も楽に済みます。
また、運送業者の単身パックは訪問見積もりではなく電話見積もりでの対応も多いため、運送業者が正確な家財量を把握できずに当日追加料金が発生する場合もあるため、注意が必要です。
単身パックは家財の保護をせずに搬送される場合がある
通常の引越しで契約すれば、ほぼ100%家財をキルティングパッドなどで梱包して搬送しますが、単身パックで依頼した場合は、このように家財の保護をせずに搬送する場合があります。
仮に家財の保護をおこなうように業者に頼んでも、梱包資材を持っていない場合もあります。また、梱包資材を持っていたとしても、梱包資材を巻いた分かご台車のスペースを圧迫することになるため、運びたい家財が運べなくなる可能性もあるため、使い勝手が良いとは言えないでしょう。
これが引越し業者と運送業者の大きな違いです。大切な家財を運ぶ場合、壊れては困る家財を運ぶ場合は必ず引越し業者を含めた相見積もりを取るようにしましょう。
単身パックの有効的な使い方
単身パックが安い理由は、単純に通常の単身用トラックよりも運べる家財が少ないからです。
かご台車1台で運べる家財は、単身用で用いられることの多い1.5トントラックの半分程度であり、正直なところ、ワンルームマンションの1人暮らし分の家財がすべて積み切れるかは微妙なところです。
また、かご台車1台分の値引きは定額であり、値引きをすることが非常に難しいのが痛いところです。しかし、かご台車1台分程度しか家財がなかった場合は、通常の引越しプランで契約するよりも安いため、使う価値はあるといってよいでしょう。私が単身パックをおすすめするのは、以下の条件を満たしたときになります。
- 家財の中に冷蔵庫や洗濯機、自転車などの大型家財がない
- 運ぶものの大半がダンボールである
つまり、単身パックはマンション1部屋の引越しというよりも、戸建てから1人立ちするときなどに使うのに便利なプランです。以上の条件を満たしているか微妙な場合は、単身パックだけでなく、通常の引越しプランでも見積もってもらうべきであると言えるでしょう。
引越し業者の見積もりを取るだけならば、費用は一切かかりませんし、場合によっては単身パックと同じくらいの費用でトラック1台を貸し切れる可能性もあります。単身パックのかご台車は定額ですが、引越し業者の見積もり金額は時と場合によって変動します。単身パックは安いと決めつける前に、相見積もりを取るようにしましょう。