引越し業というのは、最悪トラックと作業員がいれば請け負うことができるため、物流会社が子会社を作って経営をしていることが多いです。
その最たるものが物流大手の「日本通運」や「ヤマトホームコンビニエンス」「西濃運輸」なのですが、実はもう一社、物流大手である「SGホールディングス(佐川急便)」が経営している引越し業者があります。
その名をSGムービングというのですが、日本通運やヤマトホームコンビニエンスと違ってあまり名前を聞くことなく、引越しの営業マンの中にも「SGムービング?どこですかその会社?」という者が現れるほど知名度が低いものです。
今回は、そんな不思議なヴェールに包まれた「SGムービング」について紹介したいと思います。
SGムービングってどんな引越し会社?
SGムービングとは、佐川急便を擁するSGホールディングス系列の子会社であり、昭和63年に設立された引越し業者の中では比較的若い会社です。
業務としては主に法人・個人引越しと大型家具・家電の輸送と設置のサービス、海外船舶旅行における手荷物集荷運搬サービスなど、引越しだけではなく一般の運送業などもおこなっている会社です。
一応「引越し侍」などの引越し見積もりサイトと提携しているため、引越し見積もりサイトから予約をすれば見積もり予約を取れる場合がありますが、滅多なことがないと見積もり候補に挙がってくることはなく、長年引越しの営業マンを経験した私でも、SGムービングの見積書を見たのは1~2回程度しかありません。
そんなSGムービングは、以下のような会社であると言えます。
①SGムービングは沖縄に支社を持つ珍しい引越し会社
SGムービングは引越し業者としては珍しい沖縄に支社を持つ会社です。本州から沖縄へ引越しする際には選択肢の一つとして挙がる会社であると言えるでしょう。
また、SGホールディングスという大きな物流企業の子会社ということもあり、フェリーの手配をするのは大手引越し業者よりも得意であるため、大手引越し業者よりもSGムービングの方が沖縄へ引越すのは得意ともいえるでしょう。
ただし、引越し作業の面ではやはり大手引越し業者に一日の長があるため、沖縄へ引越すのであれば、SGムービングスと大手引越し業者で比較する方が良いと言えます。
②SGムービングの「チャータープラン」がお得!
一般的に引越し業者で引越し作業をしてもらうとなると、基本料金の中に元々「家具梱包代」が含まれているため、荷造りサービスを頼まなくても家具の梱包(冷蔵庫や洗濯機など)は引越しの現場作業員がおこなってくれます。
これは、家具が多かろうが少なかろうが一定の料金が発生しているため、ダンボール以外の家具が極端に少ない人にとってはある意味損をしているということになるのですが、SGムービングでは「チャータープラン」という家具の梱包を一切しないでただ運ぶだけという値引きプランが存在します。
もちろんSGムービング内には家具の梱包をしっかりおこなう「スタンダードプラン」もありますが、料金面で見ればチャータープランの方が安いです。
一件の引越し作業の中で、家具に対してキルティングパッドなどで梱包する時間や、それを剥がすのに割く時間の割合は結構長いため、梱包をしなくてもよいチャーター便というのは作業員が一日で回れる作業件数が大幅に増えるので、経費削減と利益増収の面において理にかなっているというわけです。
チャータープランの危険性
ただし、家具の梱包を一切してもらえないということは、自分で家具の梱包をしない限りそのままの状態でトラックに積まれてしまうということです。
「家具の梱包なんかしなくても、滅多に壊れないだろう。」と思うかもしれませんが、例えば冷蔵庫は梱包しないとちょっとした圧迫でへこむほどやわいですし、木製家具をそのままトラックに積まれてしまえば、トラックの床や隣の家具との接触でニスがはげたり傷がついたりします。そもそも木製家具の多くは角が鋭利であるため、木製家具だけでなく接触する家具を傷つける可能性が高いです。
引越し業者で利用しているキルティングパッドを自前で用意すれば梱包自体はできますが、あれは小さい物でも一枚5,000円程度するものであり、自前ですべてを用意しようと思ったら引越し料金よりも高くつくことになるでしょう。
そのため、かなりレアなケースとなりますが、
- 引越し業者が新居で家具の梱包を解かずに帰った(実際に私は見たことがあります)
- 自前で家具を梱包する技術を持っている
- 梱包をする必要がない物しか運ばない
などの場合を除いては、SGムービングのスタンダードプランを使うか、他の引越し業者に任せた方がよいと言えるでしょう。
③SGムービングはオリコン引越しランキングの全部門で圏外
オリコンランキングは、実際に引越し業者を利用した人の口コミによって評価されるランキングです。引越し作業件数の多い大手引越し業者よりも、名前の知られていない引越し業者の方がランキング有利に立てるという現状なのですが、SGムービングは2018年オリコン引越しランキングにおいて全部門でランキング圏外です。
佐川グループの知名度は高いものの、引越し業者としての評価はイマイチのようです。
引越し業者 | 総合 | 作業内容 | コスパ | 営業対応 |
アート引越センター | 1位 | 3位 | 6位 | 1位 |
サカイ引越センター | 3位 | 2位 | 8位 | 5位 |
ヤマトホームコンビニエンス | 4位 | 4位 | 2位 | 2位 |
日本通運 | 5位 | 5位 | 9位 | 4位 |
アリさんマークの引越社 | 7位 | 8位 | 10位 | 7位 |
SGムービングで引越しの見積もりを取る際の注意点
SGムービングは、大手物流会社がバックに存在しながらも、利用率が極端に少ない引越し業者です。その理由としては、SGムービングは引越し業よりも家電の輸送と設置サービス業の方が忙しいからではないかというものが挙げられます。
また、引越し見積もりサービスを利用したとしても滅多に見積もり候補に挙がらないことから、SGムービングという存在そのものを知らない人がとても多いことも理由に挙げられるでしょう。
もし、SGムービングの引越し見積もりを取る際は、以下の点に注意してください。
①SGムービングのホームページ概算を信用しない
SGムービングのホームページでは、あなたの引越し条件を入力するだけで概算を出してくれる「概算検索ツール」があるため、営業マンを見積もりに呼ばずとも見積もりが取れると言っても過言ではないのですが、ホームページの概算は全く信用することができません。
なぜなら、引越しの条件を入力して概算を見てみると、繁忙期以外の料金は月ごとで毎日一緒だからです。通常、引越し料金は需要と供給によって前後するため、少なくても平日と土日の料金は違くて当たり前なのですが、月ごとでしか料金が変わっていない概算表を見ると、正確な概算を伝える気がまったくない、ただの客寄せツールとしか捉えることができません。
実際に見積もりに呼べば分かることですが、いかにこちらが概算を確認していようとも、SGムービングの営業マンからは「トラックの空き状況で料金は変わる」と言われることは確実であるため、概算よりも高くなる可能性も安くなる可能性もあります。
そのため、SGムービングの用意している概算検索ツールを利用しても信用するべきではないと言えるでしょう。
②SGムービングの見積もりを取りたいなら会社ホームページから連絡する
上でも散々述べてきた通り、SGムービングは引越し見積もりサイトと提携していることはしていますが、滅多に見積もり候補として名前が挙がることがないために、基本的には自分でSGムービングのサイトから見積もり予約をすることになります。
引越し見積もりサイトを利用しないで引越し業者の見積もり予約をするメリットは、自分が見積もりを取りたいと思った業者からしか連絡がこない点にありますが、反面複数の引越し業者へ自分で連絡を取らないといけない手間が出てきてしまいます。
そのため、基本的には引越し見積もりサイトを利用しても見積もり予約を取って、自分が見積もりを取りたい引越し業者が候補に挙がってこなかった場合についてのみ、自分で連絡を取るようにしましょう。
SGムービングの引越しにこだわる必要はない
以上の点を踏まえると、SGムービングについては以下のようにまとめることができます。
- 佐川急便のグループ企業であるため沖縄にも支社がある
- 普通の引越し業者にはないようなサービスがある
- 顧客満足度は低い
- 会社ホームページ内の概算は信用できない
確かに多くの引越し業者では取り入れてないような独自のサービスがありますが、チャータープランを利用できる家庭は限られ、仮にトラックに梱包なしで家具を積めば物損必至であるために、まったくおすすめすることができません。
そのほかのプランに関してはどこの引越し業者にあるようなサービスしかおこなっておらず、かご台車を利用する単身パック一つ取っても、日本通運やヤマトホームコンビニエンスの方が値段が安くオリコンランキングも高いため信用がおけます。
中小引越し業者が中小たるには必ず何かしらの理由があります。特にバックが大きい会社であるにも関わらず中小に留まっているというのは悪い意味で疑った方がよいでしょう。
あなたの引越しを安価で請け負う引越し業者はSGムービングだけではありません。引越し見積もりサイトに登録をして、あなたの希望に合う引越し業者を見つけた方がよいでしょう。
ダイヤモンドプリンセスでのクルージングの際に、自宅と船との間を、SGムービングを利用しましたが、最悪の結果でした。
往復で新品んのスーツケースは、当てキズやすりキズが多数発生し、佐川に問い合わせたところ
何の補償もしないとのことでした。
また、送り状を直接スーツケースに張り付けられ、剥せない状態でした。
営業所にもよると思いますが、私の利用したのは、明石営業所でした。
確かに新しいスーツケースはですが、営業所というよりかドライバーだと思います。私の場合はドライバーがカバーをかけないとキズついても保証出来ないと説明がかりました。スーツケースは中身を守るものであり、傷をつけたくなければスーツケースを梱包しないほうが悪いのではないでしょうか。海外に比べて日本はましだと思います。