引越し業者は日本全国に約4000社あると言われています。その中には、大手引越し業者のように全国展開をしている業者もあれば、町の引越し屋さんのように一定の地域でしか引越しをしない引越し業者もあります。
今回紹介する「ヴォイス引越センター」は後者、つまり全国展開をしていない埼玉県密着の中小引越し業者となります。
アート引越センターやサカイ引越センターなど全国展開している大きな引越し業者の方が、地元だけでしか作業をしていない引越し業者よりも作業を任せる上で安心できることは当然であると言えるのですが、「地域密着」という意味では中途半端に規模を拡大している引越し業者よりも土地勘が良く信頼できる、格安で引越しを請け負ってくれる、同県内の移動なら別格に強い、というメリットがあります。
ヴォイス引越センターってどんな会社？
ヴォイス引越センターは平成20年7月に埼玉県で設立された、引越し業者の中でも設立間もない中小引越し業者です。
知名度が低くオリコンランキングにもランクインしていないことから、引越し見積もりサイトを利用して見積もりの候補に挙がってくると少し怪しく見える業者ではありますが、ヴォイス引越センターにはヴォイス引越センター特有の強みというものがあります。
埼玉県内の引越し・建て替えならヴォイス引越センターがおすすめ
ヴォイス引越センターは本社が埼玉県狭山市、営業所は埼玉県さいたま市と、埼玉県内にしか事業所がない引越し業者であるため、埼玉県内での引越しにおいては他の引越し業者よりも強いと言えます。
特に、家の建て替えによる引越しについては、ヴォイス引越センターのサービスは特に秀でています。まず、ヴォイス引越センターに建て替え引越しを任せると、粗大ゴミの処分、荷造りサービス、家財の一時保管を無料でおこなってもらえます。
また、ヴォイス引越センターには「アイル・ホームサービス」という不動産関係の協力会社が存在するため、家の建て替え時には必要不可欠となる、仮住まいの物件についても紹介料無料で紹介してくれます。
もちろん、建て替えのための引越しを検討している時点で、仮住まいを用意していないとおかしな話でしょう。しかし仮住まいの紹介はそこまで利用者は多くないため、もし仮住まいがまだ決まっていない状況というのであれば、ヴォイス引越センターに仮住まいを紹介してもらうのもアリです。それ以外にも様々なサービスが無料で付き、地域密着ということでフォローもしっかりしているためお得感は大手より強いでしょう。
建て替えによる引越しは、同じ引越し業者を行きと帰りで2回使わないといけないということなので、普段よりも信頼がおける業者を選ばないといけません。なお、建替やリフォームによる一時預かりについては引越し業者によって料金や取扱いが様々となるため、それについては以下で詳しく解説しています。
そのため、埼玉で建て替え引越しをするとなっても、ヴォイス引越センターだけで見積もりを取るのではなく他の引越し業者の見積もりは絶対に取りましょう。
そして、埼玉にしか支社がないということは地方への長距離引越しには一切向いていないと言い換えることもできます。地方に支社がない引越し業者の長距離引越しは現住所の引越しは契約した引越し業者が、新居までの移動は別の運送業者Aが、新居での引越しは新居付近にある地元の引越し屋さんBがおこなうことが多いため、作業の品質や家財が紛失・物損したときの責任の所在がわかりにくくなるため、おすすめできません。
ヴォイス引越センターに引越しを任せる際の注意点
①ヴォイス引越センターは大手引越し業者に比べて出し値が安い
これはヴォイス引越センター以外の中小引越し業者にも言えることなのですが、中小引越し業者は大手引越し業者に比べて出し値の時点で引越し料金がとても安いことが多いです。それはもちろん良いことですが、引越し作業の説明などを一切せずに引越し料金だけ安いような引越し業者は危険ということも覚えておきましょう。
引越しの営業マンからすれば、自分の勤めている引越し業者の作業品質に関して自信・説得力がない、オリコンランキング上位などの誇れるポイントがない、家財の保証について約束することができない場合には、引越し料金「だけ」で顧客の心を掴むしかありません。
それゆえに中小引越し業者の提示してくる引越し料金は安い傾向にあるのですが、作業や保証の話を一切聞かずに料金だけで決めてしまうと、後々にトラブルが発生しやすくなってしまうのです。他の引越し業者よりも根拠なく安い、無意味な値引きを繰り返す引越し業者とは、ひとまず契約を見送るべきだと言えるでしょう。
②ヴォイス引越センターで見積もりをする際は「クーポン」を使う
出典：ヴォイス引越センター
ヴォイス引越センターのホームページでは、インターネット限定の引越し見積もり時に使えるクーポンを配布しています（参照）。
それぞれ、粗大ゴミ処分2点まで無料、エアコン処分1台（室内・外機合わせて1台換算）無料、BOXティッシュプレゼント、小物梱包半額の4つなのですが、ここで注意して欲しいのは、BOXティッシュプレゼントだけがあまりにも不自然ということです。わかりやすく、それぞれの内容を表にしてみます。
| クーポン内容 | 原価 |
| 粗大ゴミ処分2点無料 | 1,000～2,000円 |
| エアコン処分・取外し | エアコンの取り外し：8,000～10,000円 エアコンの処分：4,000円 |
| 小物梱包半額 | 定価約10,000円の半額 |
| BOXティッシュ | 100円 |
BOXティッシュプレゼントを除く3つのサービスは、いわゆる引越しサービスの「オプション」となる内容なので普通は値引きの対象になりにくいものです。従ってクーポンのラインナップとしては非常にお得度が強い内容となっています。
特に、エアコンについては家電リサイクル法で決められた処分料金と輸送費がかかるため、それが無料になるなら非常にお得です。梱包サービスについても、料金差はありますが少なくても定価が10,000円以下になるということはないため、特に家族世帯にとってはかなり使い勝手がよいといえます。
これだけのクーポンの中に、わずか100円程度のBOXティッシュ一個をプレゼントするクーポンが紛れているのは何ともきな臭いです。恐らく、「ネット限定クーポン」であることを利用して、見積もり時にクーポンを提示せず、見積もり契約後に「クーポン使いたいんですけど」と相談してきた顧客に対して、
と説明するためにわざわざBOXティッシュのクーポンを用意しているのだと推測します（※私の経験による推測の話です）。
さらに、見積もり予約時にヴォイス引越センターへクーポンを使う旨を伝えないとクーポンが利用できない場合もあるので、必ず見積もり前にヴォイス引越センターへクーポンの利用方法を直接確認をして、見積もり時に営業マンがBOXティッシュを持ってきても違うクーポンを提示して断るようにしましょう。
埼玉県内の引越しならヴォイス引越センターを必ず見積もりに呼ぶ
ヴォイス引越センターに関するまとめは以下のようになります。
- 埼玉県密着の引越し業者であるため埼玉県内の引越しならお任せ
- 建て替えの引越しに関しては他の中小引越し業者より強い（埼玉県内なら大手も凌ぐ）
- 長距離引越し（100km超の引越し）には適さない
- 激安の引越し料金が売りの一つ
- ネット限定クーポンがお得（BOXティッシュ以外）
ヴォイス引越センターは、埼玉を中心に作業をおこなっている引越し業者であり、前述した不動産関係の協力会社であるアイル・ホームサービスに登録されている物件も、9割以上が埼玉の物件であるため、やはり「埼玉には強い会社」であると言ってしまってよいでしょう。
活動地域は決して埼玉だけではなく、東京の一部地域でも見積もり及び引越し作業をおこなっていますが、東京の全地域の引越しを担当できるだけの規模がある会社ではないため、埼玉以外に住んでいる人が引越し見積もりサイトを利用して見積もり予約をする際には、見積もり候補に名乗りが上がりません。
お得度が強いため、埼玉以外に住んでいる人もヴォイス引越センターの見積もりを取った方が良いかと思われますが、正直言ってその必要はないのではないかと思います。
東京にもヴォイス引越センターのような中小引越し業者はたくさんありますし、そもそもヴォイス引越センターの見積もりを取らずとも、引越し見積もりサイトを利用すれば10社以上の引越し業者からの見積もり依頼があるため、それらすべての見積もりが終わった後にヴォイス引越センターの見積もりを取る元気は残ってないでしょう。
確かにネット限定クーポンや建て替え引越しについてのサービスは魅力的に映りますが、複数の引越し業者から相見積もりを取れば十分値引き交渉で値引ける範囲内のサービスとも言えます。
引越し業者選びで最も重要なのは、インターネットで評判を検索することでも、ホームページでサービス内容を確認することでもなく、どのようなサービスをいくらでやるのかあなたと引越しの営業マンとで話し合い、見積書内で約束をさせることです。
引越しの営業マンに約束をしてもらわない限り、ホームページ内に記載されている素晴らしいサービスには何の意味もありません。さらに言えば、営業マンが見積書内で約束をしたサービスを引越し当日にしっかりやってもらわない限り、良い引越し業者であったかどうかというのも決めることができません。
元引越し営業マンである私があなたに伝えたいことは、引越しの見積もりや作業は、必ずしもインターネットで閲覧できる口コミや評判通りになるとは限らないということです。そのため、まずは複数の引越し業者から見積もりを取り、あなた自身に合った引越し業者を見つけて欲しいと思っています。
