電話アポだけで「良い」引越し業者か見極めるのは難しい
引越し料金をできるだけ安く抑えるには、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」をするのが一番です。相見積もりを取ることで、自然と引越し業者間で競争意識が芽生え、「他の会社に任せるならぜひ当社に任せてください!」と値引きを引き出すことが容易になるからです。
そして、相見積もりを取るためには「引越し侍」などの引越し見積もりサイトに登録して、引越し業者からの連絡を待つ必要があるのですが、引越し見積もりサイトに登録するということは、膨大な数の業者から鬼のように電話がかかってくるということになるため、電話だけで疲れてしまいます。
この電話アポイントに空返事で答えてしまうと、電話がかかってきた引越し業者すべてと訪問見積もりの対応をしなければならなくなってしまうため、引越しをする前から引越しノイローゼに悩まされることになるでしょう。
電話アポイントで良い引越し業者か見分けるポイント
引越し業者からの電話アポイントの時点で良い引越し業者と悪い引越し業者を区別できれば、見積もり時の負担や引越し時のトラブルを減らすことができると言えるのですが、見積もりのアポイントを取る部署と実際に引越しを担当する部署は別であるため、電話アポイントだけでは引越し業者の良し悪しを把握することは難しい現状があります。
しかし、「良い引越し業者なら必ずここは抑えている」という3つの電話アポイントにおけるポイントがあるため、それをまず覚えておきましょう。
①留守電を残すかどうか
多くの引越し業者は24時間体制で電話アポイントを受け付けているため、引越し見積もりサイトに登録した時点で昼夜問わず電話がかかってくる可能性があります。仕事が原因で引越し業者からの電話に出ることができない場面が多いと思いますが、肝心なのはあなたが電話に出なかった際の引越し業者の対応です。
良い引越し業者は、「〇〇引越センターです。見積もりの件についてご連絡差し上げました。」と必ず留守電を残します。なぜなら、引越し見積もりサイトを利用して引越しの見積もりを予約しているということは、他の引越し業者もあなたへ電話をかけているということをキチンと理解しているからです。
引越し業者のアポイントはフリーダイヤルからおこなわれることが多いため、あなたが複数の引越し業者のアポイントに出られなければ、着信履歴に「0120」から始まる電話番号がずらりと並びます。フリーダイヤルだけ見れば、怪しい会社からの連絡かもしれないと思うでしょうが、しっかりと「引越しの見積もりのための電話ですよ。」と留守電が残っていれば、折り返しの電話がしやすいですよね。
「社会人である以上、顧客に留守電を残すのは当たり前だ。」と思う人もいるでしょうが、悲しいことに当たり前ができない引越し業者はたくさん存在します。
留守電すら残せない引越し業者は、大概引越し作業も杜撰です。見積もりアポイントの際に留守電を残さないような会社は、見積もりを取る必要すらないと言えるでしょう。
②礼儀正しい対応ができているか
見積もりのアポイントをしてくる人は引越しを担当する部署の人間ではありません。しかし、アポイントをしてきた人の態度が悪いということは、「その引越し業者は態度の悪いアポイントをしても許される環境である」と言い換えることができるため、見積もりを取るべきではないと言えるでしょう。
ただ、引越し業者のアポイント課の従業員の多くはアルバイトなので、正しい敬語が使えるとは限りません。ここで私が言いたいのは、あくまで親切で丁寧な話し方ができるかどうかということであり、社会人のような完璧な敬語を求めないようにしてほしいということです。
③こちらの意図をくみ取れるかどうか
引越し見積もりサイトには、その他要望欄やお問い合わせフォームなど、引越し業者に対して個別に要望を出すことができるフォームが用意されています。その中に「電話をかけてこないで欲しい」と記入して投稿すれば、多くの引越し業者はメールでの連絡をしてくるのですが、中には平然と電話をしてくる業者がいます。
そういった業者は、どこを切ってもダメな業者であることが多いため、利用する価値がありません。
確かにメールのやり取りだけで見積もりのアポイントを取るのは引越し業者としても難しいのですが、良い引越し業者であればメールの文章内に、
メールだけでのやり取りでは対応が長引き、ご希望通りの引越しができない可能性があります。そのため、一度お電話での対応がしたいので、下記電話番号にご連絡ください。
0120-***-****もしくは、こちらから電話をしても差し支えない時間帯などを記入の上、メールを返信してください。
などと、こちらに選択肢をゆだねるような対応をしてくるはずです。
こちらの了解を得ずに自分たちの都合で連絡をしてくる業者と、なぜ電話でないとダメなのかを説明した上で電話対応したい旨を伝える業者、どちらか一社しか見積もりが取れないとしたら、誰でも後者の見積もりを取るでしょう。
引越し見積もりサイトの要望欄を利用する際には引越し業者があなたの意図通りに動いてくれるかを確認するとよいでしょう。
最終的には引越しの見積もりを取ってみないと分からない
以上、良い引越し業者のアポイントがどんなものかというのをまとめると、
- 礼儀正しい(親切・丁寧)
- あなたの要望通りに動いてくれる(無理難題は除く)
- あなたが電話に出なければ留守電を残してくれる
といったようになりますが、これはあくまで「良い引越し業者なら抑えていて当たり前」の項目であり、必ずしも良い営業マンが見積もりに来るとは限りません。
繰り返しにはなりますが、見積もりのアポイントを取る部署と実際に引越しを担当する部署は別であり、どんなにアポイント課の人が良い対応をしてくれても、営業マンや担当支社によっては嫌な思いをするということは普通にあります。
つまり、電話アポイントの良し悪しによって引越し業者を選ぶということは正直言って無駄であり、実際に見積もりに来た営業マンの対応を見て決めないと本当に良い引越しはできないということです。
ただし、態度の悪いアポイントをする人間を平然と野放しにしているような業者から、質の良い営業マンが来る可能性は極めて低いため、電話アポイントから業者の足切りを行うことは可能です。上記のポイントをしっかりと抑えている引越し業者の見積もりを取りつつも、営業マンの対応を見て引越し業者は決めるようにするとよいでしょう。