雨を理由に引越しを延期できない
引越し日の天候が、標準引越運送約款で述べられている「地震、津波、洪水、暴風雨、地すべり、山崩れ、その他の天災」に該当する場合は、無料で引越しの延期を申し出ることができます。
しかし、これらはすべて避難レベルの天災を指しているため、実際は台風が来ようが大雪が降ろうがトラックさえ走ることができれば引越し業者は引越しを行います。
引越し業者にとって「天候を理由に引越しを延期する」という概念は、あるようでないものなのです。
雨を理由に引越しを当日キャンセルしたらどうなるの?
そうはいっても、せっかくお金を払って引越し業者に頼んでいるのですから、家財やダンボールを雨で濡らされたり、雪で滑って壊されたくはありませんよね。
天候を理由に当日キャンセルすること自体は可能ですが、通常の当日キャンセルと同じ扱いになってしまうため、標準引越運送約款で決められている「運賃の20%分のキャンセル料」を払わなければいけません。
そのため、雨の日に引越しはしたくないという場合は、引越し日付近の天気予報を確認して、キャンセル料のかからない「引越し日の2日前」までに引越し日を変更する必要があります。
引越し業者も雨対策を行っている
仕事が忙しい方、時間を中々確保できないなど、「絶対にその日で引越しをしなければいけない事情」がある方は多いと思います。
そうなると気になるのが「引越し業者の雨対策」ですが、多くの引越し業者は雨が降ることが分かっていれば、毛布やビニールシートといった雨対策用の資材をトラックに積み込んで出発します。
雨用の資材をダンボールや家財の上から掛けることで、できるだけ家財が濡れないように運び、引越し先でも床や壁が汚れないように、家財をタオルで拭いてから置くなどの配慮をしてくれる引越し業者ももあります。
気象庁観測部のデータによると、日本の年間降水日平均は120日。つまり、あなたにとっては「引越し日の雨」はレアケースですが、引越し業者にとっては3日に1度の確率で雨の日の引越しをこなしています。不安に感じるかもしれませんが、引越し業者を信じてお任せするようにしましょう。
引越し前に分かっていれば自分たちでも雨対策をしておく
どんなに引越し業者が雨対策をしていても、濡れてしまうときは濡れてしまいます。家財が濡れて使い物にならなくなっても、天候による破損は物損事故として対応してくれないことが多いです。
そのため、事前に雨が降ると分かっているなら、梱包時から自分で雨対策をしておく必要があります。
自分で雨対策をするときに役に立つのが市販のゴミ袋です。大きな家電は上からゴミ袋を被せることで濡れるリスクを防ぎ、ダンボールは内側を覆うように敷くことで、浸水を防ぐことができます。
ちなみに、使いかけの調味料など液体の入っているものをダンボール梱包するときも、ゴミ袋を内側に敷いておくと隣のダンボールが汚れる心配がなくなるので、雨が降っていなくても重宝します。
雨対策は見積もり時に必ず聞いておく
多くの引越し業者は雨対策をしていますが、すべての引越し業者が雨対策が万全なわけではありません。
雨対策としてどういった対応を行っているか尋ねても、営業マンは「ええ、雨対策してますよ」しか答えませんので、具体的な対策方法を挙げてもらうようにしましょう。
雨の日に家財を大事に扱えない業者は、晴れてても家財を乱暴に扱います。引越し業者ごとの雨対策を聞くだけで、どこに引越しを任せるかの判断材料にもなってしまうのです。