同じマンションの別の部屋へ引越す場合、「トラックで運ぶわけでもないし、自分たちでやればいいのでは?」と考える方は多いと思います。でも実は、同じマンション内の引越しは、業者に頼んでもかなり安くなる引越しです。元引越し営業マンの目線で、安くなる理由と、値引き交渉のコツ、注意点をまとめました。
この記事の結論(30秒で読めます)
- 同じマンション内の引越しは、業界で「同所移動」と呼ばれ、業者がぜひ取りたい案件
- 移動時間がほぼゼロで作業時間が読めるため、通常の引越しより大幅に値引きしやすい
- 交渉のコツは「時間は気にしないので安くしてほしい」と伝え、午後便・フリー便にすること
- 立ち会いは2人、見積もりのときは新居も見てもらう、管理人への事前連絡を忘れずに




自分でやる?業者に頼む?同じマンション内の引越しを比較
| 自分たちでやる | 引越し業者に頼む | |
|---|---|---|
| 費用 | 台車や梱包資材の費用のみ | 同所移動なので通常より大幅に安くなりやすい |
| 大型家具・家電 | × 廊下や扉を通せず苦労しがち | ◎ 通し方を知っている |
| 共用部の傷・汚れ | × 自己責任。修繕費を請求されることも | ◎ 養生して作業。業者の補償あり |
| マンションの規約 | タワーマンションなどは自分での引越しが禁止の場合も | 指定業者(幹事会社)がいる場合は確認が必要 |
| 時間・労力 | 何往復も必要で、1日がかりになりがち | 数時間で終わることが多い |
子どもが大きくなった、住んでみたら手狭だった、でもマンション自体は気に入っている。そんな理由で、同じマンション内の引越しはとても多く行われています。自分にとっては珍しい引越しでも、業者にとってはほぼ毎日どこかで行っている標準的な引越しです。
同じマンション内の引越し(同所移動)が安くなる理由
引越し業者は、同じ建物内の引越しを「同所移動」と呼びます。見積もりの依頼があれば、どの業者も我先に契約したいと考える案件です。理由は次の3つです。
- 移動時間が実質ゼロ:搬出したらすぐ搬入できる。渋滞の心配もない
- トラックの大きさを気にしなくていい:家財が多くても、トラックの容量で台数が増えない
- 作業時間が計算しやすい:近距離の引越しは1日2〜3件が限界でも、同所移動ならもう1件追加できる。作業員1日あたりの売上を上げられる
さらに、トラックの中で荷崩れしないよう積む順番を考える必要もないので、作業の難易度も比較的低いのです。そのため、業者によっては通常ではありえない安さで受けてくれることがあります。相見積もりで競わせると、「人件費を無視したような金額で、本当にちゃんと作業してくれるの?」と心配になるほどの金額が出ることもありますが、安い理由が分かっていれば安心して任せられます。
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【元営業マンが解説】同所移動の値引き交渉のコツ
「同じマンションでも料金は変わりません」は決まり文句
同所移動の見積もりで値引きの話になると、営業マンは「運ぶ家財の量はどこへ行くのも同じなので、同じマンションだからといって料金に差はつけられません」と言うことがよくあります。でもこれは、値引きを断るための決まり文句です。
私の経験では、同所移動は上司が許す値引きの下限が、通常の引越しよりかなり低いのが普通でした。家財の量ではなく、作業時間を交渉材料にすると、3〜4月の繁忙期でなければ意外とあっさり値引きしてくれます。
「時間は気にしない」と伝えて午後便・フリー便に
「作業の開始時間は気にしないので、もう少し安くなりませんか?」と伝えて、午後便や午前フリー便(だいたい14時までに作業員が来て始める便)での見積もりを頼んでみましょう。
同所移動は、新居までの移動時間を考えずに作業の予定を組める「時間が読める引越し」です。家財が多少多くても、ほかの引越しの合間に入れやすいので、本来なら午後便では受けないような3人家族以上の荷物量でも、交渉しだいで午後便・フリー便にしてくれることがあります。
そのまま使える交渉の言い方
- 「同じマンション内の引越しなので、移動時間はほぼかからないですよね」
- 「時間はおまかせでいいので、午後便かフリー便でもう少し安くなりませんか?」
- 「ほかの業者さんにも見てもらっているので、◯万円なら今日決めます」
同所移動は、毎日の作業件数が多い大手の引越し業者が激安で受けてくれる数少ない引越しです。安く、しかも大手に頼みたいなら、相見積もりで競わせるのが一番効果的です。値引き交渉の基本は引越し料金をさらに安くする【裏ワザ】でまとめています。
同じマンション内の引越しを業者に頼むときの注意点
① 立ち会いは2人以上で
同じマンション内だからと、立ち会いを1人で済ませようとする家庭は多いです。1人でもできないことはありませんが、最低2人はいたほうがスムーズです。
同所移動では、作業員は搬出した家財をすぐ新居へ運ぼうとするので、1人で立ち会うと作業員と一緒に旧居と新居を何度も往復することになります。また、同じ階の移動でない限り、作業員は盗難を疑われないよう旧居と新居のどちらか一方でしか作業できないため、結局ふつうの引越しと同じくらい時間がかかってしまいます。旧居と新居に1人ずつ立ち会える体制をつくりましょう。
② 扉や廊下の幅は変わらない。見積もりで新居を見てもらう
部屋が広くなっても、同じマンションなら扉や玄関の大きさは同じことが多いです。部屋の広さに合わせて家具をひと回り大きくしたら、廊下を通らなかった、部屋に入らなかった、ということも少なくありません。
これを防ぐ一番の方法は、同じ建物であることを活かして、見積もりのときに営業マンに新居の間取りを実際に見てもらうことです。営業マンと一緒に新居を確認すれば、「この大きさの家具は入る」「これは入らない」と具体的に教えてもらえるので、プロの目安をもとに家具の買い替えを進められます。見積もりの予約をするときに「新居も見てほしい」と伝えておくと、時間をとってもらえます。
③ 管理人への事前連絡と「幹事会社」の確認
同所移動でも、マンションの管理規約は守らなければいけません。管理人に引越し日と業者の到着予定時間を伝えておきましょう。郊外のマンションでは、土日祝日に管理人が休みのこともあります。
タワーマンションなど管理が厳しい建物では、事前連絡を忘れただけで引越しをさせてもらえないことがあります。トラックを停める裏の搬入口に鍵がかかっていたりするからです。マンションによっては、引越し業者が「幹事会社」として指定されていることもあるので、管理会社に確認しておきましょう。
同所移動でもトラックは来ますし、道具を取りに何度もトラックとマンションを行き来するので、搬入口の管理を管理人にお願いしておくと安心です。
見積もりの前にやっておくことチェックリスト
- 管理規約で自分での引越しが禁止されていないか、指定業者(幹事会社)がいないかを確認
- 新居の扉・廊下・エレベーターの寸法をメモ
- 大きな家具・家電を買い替えるか決めておく
- 見積もりの予約時に「新居も見てほしい」と伝える
- 引越し当日に2人立ち会えるか確認
まとめ:同じマンション内の引越しは「業者に頼んで、しっかり値切る」
- 同じマンション内の引越し(同所移動)は、業者がぜひ取りたい案件
- 移動時間ゼロ・時間が読めるので、通常より大幅に値引きしやすい
- 「時間は気にしない」と伝えて午後便・フリー便にするのが値引きのコツ
- 立ち会いは2人、新居は見積もり時に見てもらう、管理人への連絡を忘れずに
同所移動は、相見積もりで競わせるほど安くなります。まずは複数の業者から見積もりを取ってみてください。
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