引越しの見積もりを夜に取るのと日中に取るのとでは、料金もプランも明確に差が出ます。
どうしても夜見積もりを取らなければならない場合、ある程度のリスクがあることを覚悟し、以下にまとめる「夜に見積もりを取っても損しにくい方法」を身に付けて下さい。
引越しの見積もりを夜に取る方法
引越しの見積もりを夜取る方法は、見積もりを予約する際に「◯時からでないと見積もりに対応できない」と伝えることです。
「夜に見積もりを取りたい」と曖昧な時間を伝えてしまうと、「当社は◯時までしか見積もり対応していません」というテンプレートの回答が返ってきてしまいます。どうしても夜中でないといけない理由を伝えると、夜見積もりに対応できるよう営業マンの始業時間を調整してくれる場合もあります。
会話テンプレート(電話)
夜の引越し見積もりが敬遠される理由
「ブラック企業大賞」を受賞したアリさんマークの引越社を始め、引越し業界のイメージはあまりよくありません。また世間的なこともあり、夜の引越しについては「早めに切り上げろ。決めなくてもいい。」と上司から指示され、顧客の事情より従業員の労務管理を優先する傾向にあります。
引越しの営業マンはすべて見積もりを終え事務所に戻ってきた後、当日の見積もり情報を会社に報告(約1時間)。それを確認するのは管理職なので、最後に帰社した営業マンの処理が遅くなればなるほど管理職の残業時間がかさんでいきます。
結果として、管理職の残業時間を減らすために営業マンの夜見積もりの時間が短くなってしまうというわけです。
夜の引越し見積もりは手を抜かれる可能性大
上記の理由で夜見積もりの時間が短くなってしまうと、家財の確認やプランのすり合わせがしっかりとおこなわれないことも考えられます。引越し当日になって追加料金や思わぬトラブルに見舞われることもあります。
また営業マンも人間なので、「この引越しを決めたい」という意志より「早く帰りたい」という思いが優先しがちです。例えば、提示料金などであなたが悩みあぐねていると「それでは一度検討してみて下さい」とそそくさ帰ってしまうため、いわゆる即決価格(その引越し業者の最安値)を引き出すのが難しくなってしまいます。
逆に、早く帰りたいために最初から即決価格を出すと決めている営業マンも存在しますが、日中に見積もりを取った際の「即決価格」に比べれば高くなってしまうことも事実です。
そのため、引越しを1円でも安くしたい、引越しのトラブルを避けたいという場合、夜に見積もりを取るべきではないでしょう。
夜見積もりは一日に一社までにする
引越しの夜見積もりを一日に複数社取ろうとすると、前の引越し業者の見積もりが終わっていないにもかかわらず、「見積もりを始めさせてくれないか」と同席見積もりを提案してくる営業マンが多発します。同席見積もりのメリットは大きいものの、仕事終わりなどの疲れた体では少々酷です。
また、夜見積もりに来る営業マンは夕方の見積もりを終えてからの待機時間が長いため、一日に複数社を呼ぶ場合はあなたの家の付近にあるパーキングに引越し業者が集結しています。
そうなれば、「お互い残業時間も厳しいでしょうから、お客さんに同席見積もりを提案し、上司から最初に言われた価格を底値ということにして、安い方が勝ちということにしませんか?」というように、営業マン同士で談合をしてから家に来ることもあるため、引越し料金は確実に割高になります。
皆さんが考えている以上に、各引越し業者の営業マン同士は強い繋がりを持っています。そのため、夜に引越しの見積もりを取りつつ値引き交渉をしたいのであれば、見積もりに呼ぶ業者は一日一社までにして長期戦をするより他ないのです。
引越しの見積もりは原則夜に取るべきではない
引越しの見積もりを夜に取ることはできますが、
- 見積もりを取りたい引越し業者が夜見積もりに対応してくれない場合がある。
- 見積もり時間が短く雑になり、値引き交渉もほとんどできない。
- 夜見積もりは引越し業者同士で談合をしやすい環境である。
など、どの面を見ても良いことがありません。また、引越しの見積もりを夜に取っても損をしたくないという人は、見積もりを一日一社しか取らないようにするなど工夫が必要になるため、引越し業者が決まるまでの時間が相対的に長くなってしまいます。
本当に夜しか時間が取れないという状況でない限り、引越しの見積もりを夜に取ることは推奨できません。引越しで損をしたくないのであれば休日の日中に見積もりを取るのがベストな選択であるでしょう。
引越しの見積もりは、取ろうと思えば引越し予定日の1~2ヶ月前には取ることができます。人によっては引越し予定日の3ヶ月前から見積もりを取っている人もいるくらいです。値引き交渉の観点から見ても、引越し予定日寸前に見積もりをするよりも1~2ヶ月前に見積もりを取った方が安くなる可能性が高くなります。
引越し予定日が近づき慌てて夜見積もりを依頼するのではなく、早めに動き始めて予定のない休日に見積もりを取るのが一番良い方法であると私は思います。