学生におすすめ!カーシェアを使って自分で引越しするメリット
「カーシェアで引越しする」ということに目を付けたあなたは相当頭が冴えています。特に学生、あるいはこれから学生になる方はこの引越しを機にカーシェアに申し込むのもおすすめ(学生は月額利用料が4~5年間無料)。
カーシェアの特性を活かして引越しすることで今後の学生生活も充実するはずです。なおこれ以降、カーシェアリング業界最大手の「タイムズカープラス」を前提に話をすすめていきます。
補償が非常に充実
引越し作業というのは意外と難しいもので、素人がおこなうと大小少なからず事故が起こるものです。場合によっては借りた車を傷付けてしまうこともあるでしょう。レンタカーで引越し作業をする場合、補償は任意で加入するものが多くどれも千円単位の費用が発生するため、「事故を起こさなければ大丈夫だろう」と加入を見送る方も多いはず。
その点に関して、カーシェアは対人補償・対物補償・車両補償・人身補償が利用料金の中に含まれた状態で貸し出しをおこなっているため、こちらから補償の申請をしなくても万が一の事故への備えは万全というわけです。
さらに、タイムズカープラスでは事故時に発生するNOC(休業補償)やパンク、ガス欠の際のロードサービスやキーのインロックをしてしまった際など、保険対象外となる事象が起きた際の追加料金について+309円で免除となります。基本料金そのものも、また補償に対する金額的ハードルもレンタカーより低いため安心して引越し作業に取り組めます。
ガソリン代がかからない
レンタカーを利用する場合、車を返す前に自腹で給油をおこないガソリン満タンの状態で返さなければいけません。満タンの状態でなくても車を返すこともできますが、ガソリン代よりも高い給油代行手数料を支払わされることになります。
カーシェアを利用する場合、車のダッシュボード内に給油カードが入っており、それを利用して給油をおこなえばよいためガソリン代は実質無料(利用料金内)です。また、タイムズカーシェアの場合は20リットル以上の給油をおこなった場合について、15分の料金割引を受けることができるため、カーシェアを利用する上で給油は損にならないという特徴を持っています。
パック料金が安い
カーシェアを利用して引越しをする場合、家財を入れる余裕のある車を借りるには、ベーシッククラスでは物足りません。カーシェアの特性上、コンパクトカーの貸出が多い傾向にあるため、プレミアムクラスという大きい車を借りるプランへの申し込みが必要です。基本料金だけを見れば割高になる気がしますが、心配ご無用です。
カーシェアには6時間、12時間、24時間などのプランが設定されており、パック料金についてはベーシック・プレミアムのクラスにかかわらず同じなので、引越しなどの長時間貸し出しが必要となる際にはベーシック・プレミアムを気にせず車を借りることができるのです。
また6時間以内の利用であればカーシェア独自の「距離料金」が加算されないため、最低でも6時間以内に車でできることを終わらせ返却すれば、これまたお得になります。
メニュー | 料金 | 距離料金 |
6時間パック | 4,020円 | かからない |
12時間パック | 6,690円 | 16円/km |
24時間パック | 8,230円 |
6時間以内に引越しを完了させれば、カーシェアそのものにかかる料金は4,020円(税込)ポッキリ。ガソリン代もかからず、料金が明瞭であるのも嬉しいポイントです。
学生は月額基本料金が無料
タイムズカープラスを始め、多くのカーシェアは学割サービスを設けており、学生はカーシェアに登録してから4~5年間(卒業後も適用)月額料金無料で利用できます。一般会員は登録して使わない月があっても月額1,030円(税込)かかってしまいますが、学生は登録したまま好きなときに好きな場所で使うことができます。
今回のように引越しに利用するのも便利ですが、卒業旅行やゼミ、サークルの合宿中など旅行先で車が必要になった際に非常に便利なシステムなので、学生であれば登録したまま持っておくのもおすすめです。
夜間に引越し作業をすることができる
基本的に、引越し業者は夜間の引越しを受け付けません。どうしても引越しをおこないたいとなると、夜間引越し専門の業者に任せるか自分の手で引越し作業をするかの二択を迫られることになります。
レンタカーも基本的に深夜帯の貸出は行っていないため(窓口が閉まっている)、長時間利用で借りるしか方法がなくなってしまいます。
しかし、カーシェアはステーションに車がありさえすれば24時間いつでも車を借りることができるのでその悩みをクリアすることができます。返すタイミングについてもこちらのタイミングで返せばよく、レンタカー店舗が開くまで車で待つ必要がないため非常に便利なのです。
夜間のカーシェア利用料金は、深夜割増の入ったレンタカーよりも安く、日中のカーシェア利用料金よりも安いです。
メニュー | 利用時間 | 料金 | 距離料金 |
6時間パック | 9:00~18:00の間 | 4,020円 | かからない |
アーリーナイトパック | 18:00~24:00 | 2,060円 | 16円/km |
レイトナイトパック | 24:00~翌9:00 | ||
ダブルナイトパック | 18:00~翌9:00 | 2,580円 |
ステーションに停車しながら引越し作業ができるため安全
引越しの作業中というのは、どうしても車を停めておく場所を確保する必要があります。レンタカーや自家用車なら、路駐もしくはコインパーキングに入れる以外に選択肢はありませんが、「引越し先」近くのステーションで借りることができれば、そこに一時停車しながら運搬作業ができます。
一度停車をしたら「返却」と見なされないか不安かもしれませんが、車両内で鍵を返す、貸出時間いっぱいになる、アプリで返却申請をおこなうなどしない限り「返却」にはなりません。
必ず安くなるとは限らない!カーシェアで引越しするデメリット
カーシェアはレンタカーと違い、「会員制サービス」です。
前もって入会手続きをしないと車を貸してもらえないため、今すぐ車を借りる必要がある人には不向き。即日発行も可能ですが、ICチップが搭載された会員カードを発行している営業所が業務時間外の場合もあるため、確実とは言えません。
仮にカーシェアを利用できる環境が整っていても、以下のようなデメリットが存在します。
長距離引越しになるほど割高になる
カーシェアの利用料金は、6時間を超えるまでは15分ごとに料金が増していき、6時間を超えるとパック料金+距離料金が加算されていく仕組みです。
つまり、少数の家財を運ぶ引越しにおいてカーシェアを利用するのであれば非常にコストパフォーマンスが高いと言えるのですが、長時間、かつ長距離移動を伴う引越しとなると、引越し業者に任せた方が料金が安くなる場合もあるのです。
ちなみに、ワンルームの家財を同市内に引越しする際に業者がかける時間は、大体の目安として2~3時間です。相場としても2~3万円。素人かつ車の積載量が少ない個人での引越しの場合、倍以上の時間、値段、労力がかかることも覚悟しておきましょう。
引越し後も月額料金が発生する
学生と法人以外の場合、個人プランでカーシェアの登録をおこなうと、無料お試し期間が過ぎた後は月額料金が発生します。引越しが終わった後にカーシェアの退会処理をしないでいると、いつの間にか口座から月額料金が引かれていくことになるため、全く車を使わない方にとっては損になることも。
引越しを機にカーシェアも使っていこうと考えている人以外は、忘れずに退会処理を行いましょう。
違反時のペナルティーが厳しい
補償は非常に充実しており、何かあっても経済的ペナルティが少ないカーシェアですが、サービス上のペナルティーが重くのしかかります。また「運ぶことができない荷物」もあったり、意外と引越しにおいて足かせとなることも多いのです。
- ペットの同乗禁止
→ペットの引越しはできなくなります。 - 灯油の運搬禁止
→灯油を使い切ってから引越し作業をする必要があります。 - 使用後にゴミが残っているのが分かった場合は強制退会
→たくさんの荷物を積めば必ず細かいゴミが出ます。掃除は念入りに。 - 二回事故を起こすと強制退会
今回の引越しで事故や傷をつけてしまった場合、「もう事故を起こせない」という気持ちでサービスを利用しなければなりません。
その他、利用規約は必ず確認し、利用前には車の状態をチェックしておきましょう。仮に傷つけてしまった場合は、事実を隠さずに報告することで最悪の事態は免れます。
借りたい車種やステーションが近所にないとそもそも引越しできない
タイムズカープラスのベーシックプランで借りられる車種の多くは、家財を運ぶのには適さない軽自動車やコンパクトカーばかりで、引越し作業をするのに最適なワゴン、ワンボックスといった車種はプレミアムプランの設定をされています。
もちろん、パック料金はベーシックプランもプレミアムプランも変わらないため料金面は問題ないのですが、プレミアムプランの車種は貸出そのものが少なく、また人気も高いため引越し予定日に合わせて確実に予約を入れておく必要があります。
プレミアムプランの車種を貸し出している場所まで行けば、確かにカーシェアを利用して引越しをすることができますが、該当地域まで行く手間と車を返した後の移動の手間を考えれば、素直に引越し業者を利用した方が楽です。
【比較】料金モデル:半日(単身者引越し)
【結論】カーシェアリングが最も安い
※人件費を時給1500円と仮定して算定
カーシェアリングで6時間パック(走行距離40km)
経費 | 費用 |
資材費(ダンボール) | 2,000円 |
パック料金 | 4,020円 |
走行距離料金 | 640円 |
人件費※ | 9,000円 |
合計 | 15,660円 |
ニッポンレンタカーでバンタイプの車を6時間借りた場合
経費 | 費用 |
資材費(ダンボール) | 2,000円 |
レンタカー代 | 7,688円 |
ガソリン代 | 3,000円 |
人件費※ | 9,000円 |
合計 | 21,668円 |
引越し業者に依頼した場合(単身引越し時間フリー便での平均目安)
経費 | 費用 |
資材費 | 0円(業者によるが無料であることが多い) |
引越し料金 | 20,000円 |
付帯工事 | 4,000円(洗濯機取り付け) |
人件費※ | 0円 |
合計 | 24,000円 |
【比較】料金モデル:全日(2人家族引越し)
【結論】カーシェアリングが最も安い
※人件費を時給1500円と仮定して算定
カーシェアリングで24時間パック(走行距離100km)
経費 | 費用 |
資材費(ダンボール) | 6,000円 |
パック料金 | 8,230円 |
走行距離料金 | 1,600円 |
人件費※ | 18,000円 |
合計 | 33,830円 |
ニッポンレンタカーでバンタイプの車を1日利用した場合
経費 | 費用 |
資材費(ダンボール) | 6,000円 |
レンタカー代 | 11,988円 |
ガソリン代 | 7,000円 |
人件費※ | 18,000円 |
合計 | 42,988円 |
引越し業者に依頼した場合(2人家族引越し午前便での平均目安)
経費 | 費用 |
資材費 | 0円(業者によるが無料であることが多い) |
引越し料金 | 60,000円 |
付帯工事 | 4,000円(洗濯機取り付け) |
人件費※ | 0円 |
合計 | 64,000円 |
カーシェアを使えば安く引越しできる!しかし…
上表の通り、引越し料金を1円でも安くしようと思うなら、カーシェアを利用して自分で引越し作業をするというのがおすすめです。しかし、現実的に作業をするとなると料金以外のファクターについて不安が残ります。
まず、引越し作業において一人で運べる家財というのは非常に限られています。洗濯機や冷蔵庫、大きめの洋ダンスなどは協力者なしでは運ぶことができませんし、家財を家屋やエレベーターにぶつけるようなことがあれば、修理費を大家さんから請求される場合もあります。
さらに、引越し作業というのは想像以上に骨の折れる作業です。作業が終わった頃には体がクタクタ、翌日からは筋肉痛に悩まされるなど、身体への負担が後になって響きます。カーシェアを複数回利用して少しずつ引越し作業を進めるという手もありますが、貴重な休日を少しずつ削って作業をしないといけなくなるわけですから、心身ともに負担が貯まっていくことでしょう。
そういった負担を考えていくと、多少多くの費用はかかるものの、家財の梱包をおこなうだけですべての家財を持っていってくれる引越し業者へ作業を依頼した方が間違いなく得。そのため、以下のような条件でない限りカーシェアを利用して引越しをするべきではないと言えます。
- 引越し先へ運ぶ家財が少ない(大型家財なし、大型家財は引越し後に買う)
- 引越し期限まで2ヶ月以上の時間があり、少しずつ家財を移動する余裕がある
- 引越し費用を限界の限界まで安く抑えたい