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オートロックマンションへ引越し~どんな仕組み?セキュリティは高いが不便な一面も

オートロックマンションのエントランス
れな
学校からの帰り道、ずっと誰かにつけられている気がして本当に怖かった…。次の引越し先はオートロックだけど本当に大丈夫?
ちはる
オートロック×2と玄関のインターホン、3重ロックよ。駅直結で人目も多いから次は絶対に安心のはず。
のぼる店員
近年建設されているマンションは賃貸も含めてほぼ全てオートロックです。ニューヨークではオートロックが最低限のセキュリティと言われているほどですので、日本のセキュリティ対策はまだまだ発展途上です。ただ、オートロックにもメリット・デメリットがあるので確認しておきましょう。

“最低限”のセキュリティ!オートロックマンションのメリット

セキュリティが極めて高い

オートロックマンションの魅力は何と言ってもそのセキュリティの高さです。マンションのエントランスに入るためのロックと玄関のロック、さらにエントランスから玄関まで物理的な距離もあるため、精神的にもたらす安心が違います。エントランスのロックが2枚(インターホンを2回鳴らす)マンションもあります。つまり3重ロック(下写真はその例)。

オートロックマンション(2重)

管理人やマネージャー、コンシェルジュが常駐するようなマンションですと、更にセキュリティレベルが高まります。ニューヨークではオートロックは最低限の安全対策と言われており、ごく当たり前に古いアパートでも付帯しています。普及率が低い日本はそれだけ治安が良いという証明ですが、毎日のように事件事故が起きているわけなので、オートロックが付いていた方が断然安心感があります。

ストーカー対策

ストーカー被害に遭ったとしても「マンションに逃げこみさえすれば安全」という安心感がオートロックマンションにはあります。玄関前まで来られる心配もありません。ただ、マンションの前まで付いてきて、住居を確認するため部屋の電気をつけるタイミングを見ている可能性があります。

特に女性で一人暮らしの方は、窓際の部屋は常に明かりを点けておくか、明かりが漏れない対策をするようにしましょう。

それでも不安の場合は、住戸の特定ができないくらい居住数が多いタワーマンションを選ぶ、IoT家電などを用いて電気を前もって付けておくなど対策はいくつか考えられます。

勧誘・セールス対策

オートロックマンションのインターホン

オートロックマンションは勧誘やセールスを「マンションとして」禁止していることがあります。また仮にそれを遮って勧誘やセールスをしてくる者もいますが、多くのところがカメラ付きで相手の顔が見え、またエントランスから住戸までの「距離」もあり心理的に断りやすい(居留守を使いやすい)メリットがあります。新聞や宗教系の勧誘はオートロックだとほぼ全てシャットアウトできます(相手側が来ようとしません)。

またチラシ等も防止できるマンションが増えています。エントランスで許可を得ないと投函できなかったり、投函ボックスがエントランス内にあったりするケースです。

最近のマンションはポストの投函口と取り出し口が分かれているため、投函物を取り出しているときに不審者に襲われるということもありません。しかしこの仕組になっていない(郵便ポストを見る際もオートロックの外に出なくてはならない)物件も多いため、その場合はオートロックがむしろデメリットになります。

エントランス以外から勧誘が来たら不法侵入

外部の人間がマンションの住人を訪ねる場合、入り口にあるインターホンで部屋番号を押し、その住人に入り口のロックを開けてもらいます。住人は部屋からこの入り口のロックを解除できる仕組みになっていますが、外部から特定の部屋の人にこのロックを開けてもらってマンション内に立ち入った場合、原則的にその部屋以外を訪ねてはいけません。

例えば、営業マンがある一室に勧誘をして住戸を開けてもらった場合、他の住戸にエントランスのインターホンを介さず営業した場合「不法侵入」に当たる可能性があります。ですからエントランスでインターホンを取った相手以外の営業を受けた場合(住戸に直接営業が来た場合)、すぐに受付の管理人やマネージャーに電話して追い払ってもらいましょう。管理人が不在である場合は警察に連絡してもOKです。

油断禁物!オートロックマンションのデメリット

鍵を家に忘れると入れない

オートロック最大の欠点は、鍵を家に忘れると中に入れなくなることです。常駐管理人、マネージャーがいるマンションであれば鍵を借りることができますが、本人確認の手続きが非常に面倒であり、管理人が常駐でないマンションや夜遅くなった場合は管理人やマネージャーが不在で中に入ることができません。

オートロックシステムはマンションだけでなく、最近は駐車場にも備えられているケースがあります(違反駐車取り締まりのため)。車を出すのに家の鍵を持っていないと出ることができないため、駐車場に閉じこまれてしまうということもあります。

管理費・共益費が高額になる

オートロックマンション(鍵をかざすタイプ)

オートロックにはいくつかの種類があります。鍵を差し込んで開けるタイプや、鍵に埋め込まれているICチップをかざすことで開けられるタイプ(写真)、カードキータイプ、暗証番号を入力するものもあります。オートロックは言い換えればマンションとしての「オプション」ですから、当然に共益費や管理費が高くなります。

出入り口の設備ですから毎日稼働しており、壊れたりしたら全ての人に影響が出ます。従ってその設備の維持・管理・保守点検のために要する費用は決して安くありません。管理会社に対する管理委託費の項目としても「オートロック設備保守料」というのがあると思いますので確認してみてください。

オートロックキーは「絶対」失くしてはいけない

オートロックの鍵が各部屋共通の場合、万が一紛失したり鍵穴を壊した場合、全世帯の鍵の交換費用を請求される場合があります。

1本だけで済ませられることもありますが、通常の鍵よりも高額なため1万円~3万円近いこともあります。防犯上致し方ないことではありますが、子どもに持たせるときは特に注意してください。

戸建てやオートロックが無いマンションに住替えられない

オートロックに慣れてしまうと精神的にも、実際のその防犯力についても不安が募ります。簡単に家の玄関前まで不審者が来てしまったり、宅配業者や不審な営業がストレートに玄関まで来てしまうことに恐怖心・違和感を感じるようになります。失って始めてオートロックの魅力やセキュリティの高さを実感します。

そのため、オートロックマンションから安易に戸建てや通常のマンションなどに住み替えるとその環境に慣れるのに時間がかかります。

オートロックは「空き巣対策」にはならない

「オートロックマンションなら空き巣被害が少ない」と思っている方は多いのですが、実例としてはむしろオートロックマンションの方が空き巣犯に狙われやすい傾向があります。タワーマンションのように最下層の居住部分が既に一般のマンションより高いという場合は安全ですが、それ以外のマンションになると、外部からは簡単に侵入できます。

また空き巣犯が律儀にオートロックのエントランスから侵入することはあまりありません。

エントランスが厳重に固められていても、個々の住戸の窓がガラ空きであれば全く意味がありません。そうした油断が出やすいオートロックマンションは空き巣犯にとっても狙いやすいのです。

施錠意識が希薄になる

空き巣に関する問題もそうですが、マンション自体の入り口が外部から容易に入れない造りになっているため、心理的に油断してしまい鍵をかける癖が失われます。

家から完全に出かける時は鍵を掛けますが、数分で済む程度の外出時には鍵を掛けないといったことも見られます。戸建てに住んでいて、視界に住戸が入る程度の行き来(ゴミ出しや回覧板)なら問題ありませんが、マンションの場合は少し外に出るだけでも、エレベーターに乗ったり、館内を歩いたり、視界から自分の住戸が映らなくなる場面を空き巣犯に与えてしまうことになるのです。

手持ちの鍵が多くなる(鍵が大きくなる)

オートロックマンションであると、最低でも鍵を2~3つ持たなくてはいけません。オートロックを開ける鍵、普通の部屋のドアノブに差す鍵、駐車場専用の鍵など、家に入るために何回鍵を差さないといけないのか?と思ってしまうマンションも多いです。もちろん一体型のものもありますが、防犯上は鍵を分けるべきだと言われています。

また鍵の形状も様々で、その管理方法も大変になります。通常の「キー」タイプではなく、カードキーや、ICチップ、最近ではスマホ連動型のものもあります。キーケースに収納できないタイプの鍵は人によって不便に感じたり、子供にジャラジャラと鍵を持たせるのも何かと問題があります。

郵便物の配達に時間が掛かる

Amazonからの宅配物

宅配業者がオートロックのマンションに宅配物を届ける際は、お届けがある住戸全てのチャイムをまず鳴らす必要があります。そこで反応がある家だけの荷物をまとめて、上から(あるいは下から)お届けします。チャイムを全件分鳴らすだけでも時間がかかり、また実際に配達が来るまでも時間がかかります。

オートロックマンションでなければ、配達員は荷物を全て持って、マンションを舐めるように住戸のインターホンを鳴らしていきますが、オートロックマンションだとチャイムを鳴らされてから実際にお届けが来るまでのタイムラグがあり精神的にソワソワしてしまいます。

マンション内に侵入されるリスクが高い

住人のふりをして、前の人が解錠した瞬間にエントランスをくぐってマンション内に侵入することは簡単にできてしまいます。確かに侵入したところで住戸自体の鍵は別にあるので、大きく問題になることないと思われますが、解説した「施錠意識の低下」を空き巣犯は知っているため、被害は意外と多いのです。

空き巣犯は上から順に住戸のピンポンダッシュをして反応が無いところを狙います。プロの空き巣犯であれば今の住戸の鍵は簡単に開けられます。更に鍵を閉めていない「カモ」な住人もいるため油断しないようにしてください。

オートロックマンションであっても独自の防犯対策が必要

オートロックマンションであっても防犯性は「絶対」ではありません。大規模修繕工事中などは、足場が組まれるためどんなマンションも空き巣犯にとって格好の餌食です。マンションのエントランスが安心だからと言って、個々の防犯意識が低くなっては本末転倒です。

防犯性の高さからオートロックのマンションをあえて選んでいるという方も多いことでしょう。もちろんそういった視点で選んでいくことは住居選びにおいて一つの方法ではあります。しかし、「安全」と「安心」はイコールではありません。オートロックでも外部からの侵入者を完全に防げるわけではありませんし、大規模修繕工事中は足場をよじ登って空き巣の被害に遭われたり、工事の作業員や、清掃の作業員になりすまして侵入してくる者もいます。

特にタワーマンションは毎日のように何かしらの設備のメンテナンスや、修繕工事、清掃作業で業者が出入りしています。管理会社としてはどの業者が出入りしているかどうかは必ず把握していますが、作業員単位で把握することは無理です。

マンションの最大のデメリットととも言えますが、マンションは外から見ると厳重なセキュリティで囲われているように見えるものの、一旦中に入ってしまえば基本的に住人だと思われ、怪しまれることがありません。オートロックであっても決して油断しないようにしましょう。

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