北向き玄関の実態と実害
実際に私は北向き玄関・北向き駐車場の家に暮らしていました。その実例をもとにお話させていただきます。結論から言うと「住めば都」で、良い点もあれば悪い点もあります。これは決して北向きに限ったことではありません。
私も物件購入前、引越し前は風水や、日当たり、雪のことなどを色々考えていましたが、年々それにも慣れてきますし、家の個性でもありますから人間側が順応するようになります。逆に北側だからよかったこと、南側でなくて安心した、という体験も数々あります。これによって生活がしずらい・引越したくなったということはありませんでしたから、非常に乱暴ですが「時間」が解決してくれる小さな問題に過ぎません。
転居前に確認!北向き玄関の家に起こる実害例
①日当たりが悪い
玄関はその家の顔だと言われますから、風水としても玄関の日当たりが悪いと雰囲気が鎮まりますね。ただ、「玄関の日当たりが良いメリット」は実は少ないのです。むしろ、日光(紫外線)によって玄関の塗装が変色したり、砂埃が目立ったりして掃除はしっかり行わなければなりません。
また夜になればどの方角の玄関でも暗いので、あまりデメリットは多くありません。日中はてっぺんにお陽さまがありますしね。
②玄関前の雪が溶けない
北向き玄関や、北向き駐車場だと、雪が降った際にその対処が大変です。中々溶けてくれませんから東京のように1年に数回だけドサッと降る地域に住んでいる人は大変です。逆に言えば、1年に数回しかない自然現象のためにわざわざ北向きの家を選択肢から外してしまうのもバカバカしい話です。
私はマンション管理会社のフロントマンの経験もあるのですが、雪が降った日は担当するマンションのエントランスの雪かきをしていました。雪が降ると分かっていたら、除雪剤を蒔いておいたり、事前の対策をしていました。「北向きは雪が溶けにくい」と言っても、お湯をかければ溶けますし、自宅玄関前に限ればそんなに広範囲ではありません。
何が言いたいかというと、東京においては、雪が降ったら北向き・南向き関係なくほぼ全ての住宅において実害が出ますから、家を買うときもあまり雪のことを考えない方がいいということです。対策もこの通り難しくありません。
③北風の影響を受ける
北向き玄関の一番の実害は「北風」です。風が強い日は風圧で開けにくく、開けたら開けたで部屋の中に葉っぱやゴミが入ってきたりと中々厄介です。ドア自体が壊れ、交換したこともありました。しかし、風向きを考えて少し東側にドアの位置をずらすだけで、風の影響を受けづらくなります。施工前にハウスメーカーと相談して設計すれば十分対策できます。
北向き玄関のメリット
次に北向きの家のメリットをお話します。
①日陰ができる
「日当たりが悪い=日陰ができる」ということになります。日差しの影響を受けないため玄関の塗装が変色しなかったり、車も傷みません。夏は涼しく玄関が蒸れないため、ジメジメしません。下駄箱など靴の保管を考えると北向き玄関は「玄関」としての役目を大いに果たしているのです。
②間取りを有効活用できる
北側玄関の方が間取りを設計しやすく、南向きを有効活用しやすくなります。玄関に日が当たらないということは、反対方向の間取りには日がたくさん差し込み、例えば洗濯物で言うと、地形にもよりますが、路面に出ず隠すことができます。
北向き玄関の妥協点は風水のみ
「風水的には…」
この一言に対して受け入れられる方であれば、利便性を重視して北向きの家を購入すべきでしょう。南向き玄関でも上にまとめたようにデメリットがあります。何もデメリットが無い方角はありませんので、風水を信じるか信じないかのみが争点になります。
これは建築家で風水に詳しい「ドクターコパ」さんも同じことをおっしゃっているので、どこにあなたの重視すべきポイントがあるかで決めるべきでしょう。