「日本の大手引越し業者を3社挙げてください。」と聞くと、多くの方がアート、サカイ、そして「アリさんマークの引越社」の名前を挙げます。しかしアリさんマークの引越社は、大手引越し業者ではありません。
CMがよくテレビで流れるアリさんマークの引越社は、知名度で言えばまず日本でもトップクラスでしょう。しかし、一人の営業マンから不当な扱いが原因で訴訟を起こされてからは、「アリさんマークの引越社はブラック企業である。」という認知度もかなり高くなったはずです。
実際に利用する私たち顧客側からすれば、アリさんマークの引越社がブラック企業であろうがなかろうが、作業さえきっちりおこなってくれれば問題ないと思うかもしれません。しかし、アリさんマークの引越社は元引越し営業マンの私からしても、正直なところおすすめできない引越し業者であり、作業件数や品質も他の大手とは同じ土俵にも上がらないほど。
アリさんマークの引越社ってどんな会社?
アリさんマークの引越社は、確かに引越しを主な業務としておこなっている会社(引越専業)の中ではアート、サカイと並ぶトップ3であると言えるのですが、それはアリさんマークの引越社以下の引越し業者の成績がよろしくないから甘んじて3番にいるというだけ。
規模や件数で言えば、日本通運、ヤマトホームコンビニエンスなど兼業業者の方が優勢です。
①アリさんマークの引越社は「大手引越し業者」ではない
引越専業トップ3と聞けば、アリさんマークの引越社はアートやサカイと同じくらいの企業規模と推測できるかもしれませんが、そうではありません。アリさんマークの引越社はどこを切っても上位2社とは肩を並べることができない引越し業者です。
まず成績面から見てみると、2017年の売り上げが600~700億円である上位2社に対して、アリさんマークの引越し社の売り上げは270億円と、優にダブルスコアを付けられるほどかけ離れています。
さらに、引越しを兼業でおこなっているが成績の良い日本通運、クロネコヤマト(ヤマトホームコンビニエンス)を含めたランキングで言えば、アリさんマークの引越社は5社中5位と、引越兼業の業者にすら勝てない悲惨な状況なのです。
次に、2018年オリコン引越しランキングの総合面で比較してみても、1位のアート、3位のサカイに対して、アリさんマークの引越社は7位とまったく相手になっていないことが分かります。
CMを流しているから規模が大きい会社だと勘違いしがちですが、業界内から見るとアリさんマークの引越社は大手引越し業者とは言えない存在です。アリさんマークの引越社は、偶然他の中小引越し業者の成績が振るわないために3位に座している、大手のフリした中小引越し業者であると言えるのです。
②アリさんマークの引越社は首都圏以外の支社がほとんどない
アリさんマークの引越社は地方に支社をまったく持っていません。従って、アリさんマークの引越社とは都会→地方の長距離引越しの契約を絶対にしてはいけません。
まず、沖縄、東北、四国にはアリさんマークの引越社が一社もありません。中国地方には広島支社のみ、九州は福岡に固まっていたりと、大手引越し業者からすれば笑ってしまうほどにスカスカのネットワークです。
もし、地方支社のない場所への引越しをアリさんマークの引越社と契約してしまった場合、基本的には家財の紛失・破損についての保証はしてもらえないと思って下さい。
③アリさんマークの引越社の作業員は物損事故を隠ぺいすることが多い
作業員によっても差があるとは言えるのですが、他の引越し業者に比べてアリさんマークの引越社の作業員は物損事故を起こしたとしても報告をせず、隠ぺいしてしまうことが非常に多いです。なぜなら、アリさんマークの引越社は物損事故を起こすと作業員が自腹で補償しないといけないからです(普通はありえないことです)。
そのためアリさんマークの引越社の作業員は家財を壊しても作業中には報告せず、あなたが家財が壊れていることに後々気付いたとしても、作業員からは「私はやっていません。」の一言しか返ってきません。
現にアリさんマークの引越社の営業マンのセールスアピールの一つに、
というものがあります。あなたがアリさんマークの引越社について知らない状況であれば、「こいつ何言ってるんだ?なぜ作業員に保証人が必要なんだ?」と思うでしょう。これは会社が責任を持つことはなく、作業員自らに保証させる仕組みを取り入れているからなのです。
こういった話からも、眉をひそめたくなる見えない恐怖感がありますよね。
大手引越し業者でも、物損や紛失を起こせば減給などの処罰が下る可能性があるため、物損などについて絶対に安心できる引越し業者など存在しないのですが、アリさんマークの引越社と違って大手引越し業者は会社が責任を取ってくれるため、アリさんマークの引越社に比べれば安心できると言えます。
ちなみに、小さい引越し業者であればあるほど、家財の保証は現場作業員持ちとしていることが多いので、保証面を見ても、アリさんマークの引越社は大手引越し業者ではないと言えるでしょう。
【参考】2018年オリコン引越しランキング有名どころ5社比較表
引越し業者 | 総合 | 作業内容 | コスパ | 営業対応 |
アリさんマークの引越社 | 7位 | 8位 | 10位 | 7位 |
アート引越センター | 1位 | 3位 | 6位 | 1位 |
サカイ引越センター | 3位 | 2位 | 8位 | 5位 |
ヤマトホームコンビニエンス | 4位 | 4位 | 2位 | 2位 |
日本通運 | 5位 | 5位 | 9位 | 4位 |
アリさんマークの引越社で見積もりを取る際の注意点
現場作業・長距離引越しにおいての安心感・会社規模のどの面を取っても良い所がないアリさんマークの引越社ですが、見積もり対応についても良い面より悪い面が目立ちます。なぜなら、アリさんマークの引越社の営業マンは対応・料金共に良いときと悪いときの差がとても激しいからです。
理由としては、以下のような事項が挙げられます。
①アリさんマークの引越社には「営業専業」が少ない
大手引越し業者では、営業マンと現場作業員は別部署です。そのため、営業マンは見積もりが極端に少なくて現場が忙しいという日でなければ現場作業に出ることはありませんし、現場作業員も見積もりの最繁忙期(2~3月)で見積もりが溢れかえらない限りは営業に出ることはありません。
しかし、アリさんマークの引越社は違います。アリさんマークの引越社には営業を専業としている人はほとんどおらず、いたとしても売れっ子営業マンで現場に出る必要がないというだけで、基本的には現場と営業の兼業です。
これだけを聞くと、何が悪いのか分からないと思いますが、現場兼業の営業マンが見積もりに来た場合、基本的には値引きをしてもらえないということを意味します。なぜなら、その現場に自分がいくかもしれないのに、極端な安値で取りたいとは思わないからです。
引越し業界では、現場作業員の給与は時給だけでなく、自分の作業した引越しの単価によってインセンティブをもらえるという給与体制を取っているところが多いです。もちろん時給だけでは食べていけないような額しかもらえないため、引越しの現場作業員にとって作業単価は非常に重要です。
さらに、現場メインの営業兼業の場合、どのような対応をしてはいけないかなどの営業研修を一切受けていないという人も多いため、時には不愉快な営業をされることも多いのが、アリさんマークの引越社の営業マンの特徴です。
②アリさんマークの引越社は執拗に「現金払い」を求めてくる
アリさんマークの引越社の営業マンは、「現金特価」という言葉をよく使います。引越し業界に関係なく会社としては、カード手数料を支払なくて済むなどの理由により、カード払いよりも現金払いの方が嬉しいということは分かります。
しかし、もしアリさんマークの引越社の営業マンから「カード払いはダメなんです!できるけどできないんです!もし現金払いにしてくれるならカード払い時の半額します!」などと言われたら、とても注意が必要です。なぜなら、経営が苦しい会社は現金払いを執拗に求めてくることが多いからです。
旅行代理店「てるみくらぶ」の事件は耳に新しいと思いますが、本当に経営が苦しくなってくると、売り上げを借金返済に回す自転車操業をしなければいけなくなる関係で、カード払いを選択したことによる支払いのタイムラグがとても苦しくなるからです。
もちろん、現金払いなら半額にすると言われて、安いからということでアリさんマークの引越社と契約するのは一向に問題ないのですが、ものすごい剣幕で現金払いを強要された場合は会社的に非常に危険であるということを覚えておきましょう。
アリさんマークの引越社は大手引越し業者の対抗馬として見積もりを取る!
以上の点をまとめると、アリさんマークの引越社については以下のようなことが言えます。
- アリさんマークの引越社は「中小引越し業者」
- 物損事故は基本隠ぺいされる
- 超絶ブラック企業、その影響は顧客にも
- 営業マンの質がブレブレ
- 現金払いに目がない
ハッキリ言って、アリさんマークの引越社はアートやサカイのような「任せて安心できる引越し業者」とは言えません。むしろ、中小引越し業者であるにもかかわらず「トップ3」などという言葉で大手のフリをしようとしているが何とも痛々しいです。
上でも述べた通り、アリさんマークの引越社は現金払いに目がありません。こちらがカード払いを希望していることを伝えながら、金額によっては現金払いにしてもよいことをチラつかせれば、他の引越し業者よりも割引率が高くなることもあります。
ただし、そこでは絶対に即決をせず、アリさんマークの引越社の見積書を使って大手引越し業者と相見積もりに臨めば、アリさんマークの引越社の激安特価に近い料金で、品質に安心ができる大手引越し業者で引越しができるかもしれません。
アリさんマークの引越社と交渉してあまりにも料金が激安になった場合は、大手引越し業者に対して多くを求めてはいけません。あなたが「アリさんよりも安くできないなら契約できない」などと言ってしまえば、そこで交渉が終わってしまうこともあるからです。
あくまで最初は「アリさんマークの引越社はここまで頑張ってくれた」と見積書を見せるだけに留めておいて、営業マンの出方をうかがうように見積もりを進めていきましょう。
アリさんで引越ししたものですが‥とてもよかったですよ。保険も作業もしっかりしていましたし。
色々質問して説明受けましたが、貴方の言うように給料と実費が比例することはないそうですよ。
仕事は基本的に雑で、ため息付きながら面倒くさそうにやってます。また、エアコンの取り付けも素人目にもひどくてクレームしましたが、下請け業者に連絡しろとの一点張りで全く取り合ってくれませんでした。
ここに依頼するのは絶対にやめた方がいいですね。
見積もりがデタラメでした。引越しの日を伝えて見積もりをとったのに、いざ契約しようと電話したら、対応できないと言われました。
アリさんで単身引っ越し(トラック合積み)を頼んだら、書籍一箱と冷蔵庫のパーツを紛失された。
自分で荷造りした際、箱に通し番号を大きく書いておいたのにどうやって無くすんだ?
あと冷蔵庫下部のバンパーみたいなパーツがない、と連絡したら『あ、それは無くても大丈夫ですから』
と言われた。大丈夫じゃねーよ。
都内でのみ、利用してますが。
これまで複数回アリさんを利用しています。
現場担当の方が見積に来てくださいました。が、逆に安心感がありましたし、値引きをしない、なんてこともなかったです。
昔から引越は現金払いが多いので、それが経営難とも思えません。
物損が隠蔽というのはトラブルになったことがないのでわかりませんが、逆にいえば、何度も利用していますが、そのようなケースはなかったのが事実です。
この記事は、片寄りすぎですね。
フローリングに穴を開けられました。
一部修復しかしないの一点張りです。
もし自分の家のフローリングの一部分だけ違うってどう思うんだ?
司法の判例だと一部分だけ修復でいいんだろうけど誠意まったくなし。やられた方は泣き寝入り。最悪だ。
基本的に事実が記載してあると思います。ちなみに
・車両は対人以外無保険(対物事故は従業員に負担させるから)
・荷物の保険も特殊な高額物以外はかけていない(壊した従業員に負担させるから)
・営業専業の人は営業の成績以外興味ないから、安く見積り出すために荷物が乗らないトラック用意する(お客さんと現場が困っても関係ない)
・前の日の作業が上記のような営業専業のせいで夜中の2時に現場終わって寝坊しても、次の月は降格(最悪尼崎JRで問題になったような処罰や給料ダウン)
というのが1年くらい前の状況でした。今は分かりませんが、おそらく変わってないでしょう。
作業員に関しては大手でもどこでも当たり外れはあって当然ですが、みんな頑張っています。ただし破損などの自己負担が怖くてこういう悪評が出てしまうので、そこは会社が悪いでしょう。
フローリングに穴を開けられました。
一部修復しかしないの一点張りです。
もし自分の家のフローリングの一部分だけ違うってどう思うんだ?
司法の判例だと一部分だけ修復でいいんだろうけど誠意まったくなし。やられた方は泣き寝入り。最悪だ。
引越し当日朝までは普通に使えていたパソコンが、引越し後に電源が入らなくなっていた。事前説明で念のためデータバックアップをしておいた方がいいとのことだったので、バックアップはとっておいたものの電源が入らなければバックアップも全く意味なし。しかも謝罪すらない。それどころかそんな事もあると逆ギレされた。とにかく最悪な担当者だった。当然二度と使わないし、絶対におすすめ出来ない業者です。