1円でも安く引越しをしたい場合など、値引き交渉を第一に考えると、不確定事項が多い中での見積りは金額が高くなりがちです。この章における結論は「見積もりそのものは取れる」ということですが、提示金額が適正である可能性は極めて低いと言えます。
引越し先が100km圏内か、そして大まかな引越し月だけは決めた状態で、相見積もりを取りながらそれぞれの営業マンに最安の日を決めてもらうのがおすすめです。
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引越し先・日程のどちらも決まっていないと営業マンも困る
引越し先や引越し日の詳細が決まっていない状態で、引越し業者の見積もりを取る人は実はかなり多いです。
- 分からなくても見積もりを取っていいとネットに書いてあったから
- トラックの空き状況が不安だったから
- 予算を組むのに引越し料金を知りたかったから
- 早ければ早いほど引越し料金が安いと思ったから
など、理由は様々です。ちなみに引越し料金は旅行などと違って「早割」はありません。
実際、引越しに関係することすべてが決まった時点で見積もりを取ると、引越し日の近々での見積もりになってしまうこともあるため、割高になったり、引越し日の変更を余儀なくされてしまいますが、トラックさえ空いていれば見積もりを取るのが早くても遅くても料金は変わりません。
少なくとも、引越し先あるいは引越し日を明確にして見積もりを呼ぶようにしましょう。引越し日と引越し先の両方が分かっていない場合、引越し料金は使うトラックの台数と日程によって変わるため、営業マンは引越し料金を計算するのにとても苦労します。
そのため、せっかく見積もりの訪問に来ても、どちらも決まっていないと分かった時点で諦めて帰る営業マンが大多数なのですが、中には契約を結んでくれる営業マンもいます。しかし、営業マンが契約してくれたからといって油断は禁物です。
なぜなら、その契約は「どの引越し業者を使うか」しか決まっていないため、後々追加料金を支払う可能性があったり、あるいは詳細を伝えていればもっと安くできた可能性もあるからです。
引越し先・引越し日未定で契約する注意点
引越し先・引越し日が未定、引越しの条件が決まっていない状態での契約となるため、多くの場合追加料金などが発生します。以下では具体的な追加料金の事例や注意点などを解説します。
引越し先の条件によってトラックが増える
現住所よりも引越し先の道幅が狭かったり、トラックが入っていけない場所への引越しが決まった場合、見積もり時よりも「小さなトラック」を追加手配して引越しを行う必要があります。1台で済んだはずの見積もりから、2台あるいは3台へ増える可能性があり(横持ち車)、当然追加料金も発生してきます。
もちろん、営業マンに引越し先の状況を伝えなければ横持ち車自体手配されず、引越しトラブルに繋がるため、きちんと連絡をしましょう。
余裕をもって連絡!フェリー利用時は注意
引越し日間近になってから変更依頼の電話をすると、トラックの手配ができない場合があります。また、手配自体はできても、他の支社からトラックを借りて作業する場合は、引越し料金が増えるため、条件が分かり次第すぐに連絡をしましょう。
特に注意が必要なのは、フェリーを使って家財を運ぶ引越しの場合です。フェリーは約7日おきに出航していることが多いため、連絡が遅れると引越しも一週間単位で遅れる可能性が出てきます。
延期を繰り返すと引越し自体をキャンセルされる
引越し業者にとって、引越しの延期は痛手です。なぜなら、引越し日を延期するということは、手配していたトラックが無駄になるということであり、そこに都合よく他の引越しが入らなければ、必要のない人件費を払うことになるからです。
私が営業に回っていたときは、3回延期を繰り返すと、上司から一度キャンセル処理をするように指示が下りるようになってました。
キャンセル指示のタイミングは、各引越し業者・支社によって違いがありますが、何度も延期を繰り返すようだともう一度見積もりを取り直すよう連絡があるはずです。
値引き交渉ができない
「今回の引越し料金は100万円です。」
と仮に言われた場合、明らかにそれが法外な金額であっても交渉する術がありません。引越し料金の出し値は必ずボッタクリと相場は決まっていますが、それに対して「高い!」と交渉することができません。なぜなら、あなたも営業マンも分からないことが多すぎるため金額がはじき出せないからです。
営業マンは本当は大体のニュアンスでこの引越しが最大どれくらいの価格になるか分かるのですが、客の心理を利用して取れるだけ取ろうと試みます。ですから引越し先や引越し日が分からない状態で見積もりを取るのは、営業マンに「どうぞボッタクって下さい」と言っているようなものなのです。
引越し先・引越し日未定で見積もりを取るのは危険
トラックの台数と引越し日が分からなければ引越し料金の計算はできないのに、営業マンが契約をしてくれるのは、親切心からだけではないかもしれません。引越し先・引越し日未定の引越しは、営業マンにとっては都合のいい成績稼ぎなのです。
引越し営業マンの成績は、実際におこなわれた引越し件数ではなくて、「契約した」と会社に申告した件数で決まります。もちろん会社もバカではないので、「契約」と申告されている顧客に対しては、見積もり日の翌日に、契約内容の確認電話を入り、本当に契約しているか確認しています。
しかし、引越し日も引越し先も決まってない場合は、何も確認することができないため、契約確認の電話のしようがありません。そこを利用して、顧客に対しては「最悪の場合キャンセルできるから、今ここで契約するとだけ言ってくれれば、仮日にトラックの手配をしておく」と言いつつ、会社に対しては「うちの会社で引越しすることは確定です」と嘘の契約を上げる営業マンがいます(業界内の裏技)。
もちろん、標準引越運送約款に則った引越しのキャンセルはできるので、客が損することはないのですが、こうした無責任な営業マンに任せてしまうと、後々の変更処理なども遅れがちになるため、引越しトラブルに繋がりやすくなります。
どうしても契約をしたい場合、引越し先・引越し日未定の状態でも安心して契約できる営業マンは、連絡時期のタイムリミットを教えてくれます。そのタイムリミット前に連絡をすれば、大体の変更は快くしてもらえますし、何より自分でタイムリミットを設けている営業マンは、タイムリミット当日に連絡をよこして来ることが多いです。
「上手くいかなければキャンセルすればいいや」と無責任な営業マンに任せるより、「この日までに連絡してくれれば私が何とかします!」と言ってくれる営業マンに任せる方が、不安要素が多いときは安心できます。