引越し前の原状回復義務~敷金はどれくらい引かれるor戻ってくる?

引越し前の原状回復義務~敷金はどれくらい引かれるor戻ってくる?(引越しペディア)
ちはる
引越しにはたくさんお金がかかりますよね。そのためにも今借りている住戸の敷金はできるだけ満額の返戻を期待しています。敷金の相場としては何割程度が退去時に戻ってくるものなのでしょうか?
のぼる店員
傷を付けず、借りた当初の状態であば敷金の満額が返戻されます。しかし、「ハウスクリーニング費用」については入居者が全額負担する物件も今は多いです。

契約時、重要事項説明書「敷金等の精算に関する事項」、別添「原状回復工事に関する確認書」に同意しているはずなので、まずそちらを確認してみましょう。なお平均的に5~7割の敷金が返戻されるイメージですので、それ以上の額、あるいは払った敷金を上回る額を請求された場合はその内訳を確認しましょう。

原状回復工事って何?

原状回復工事に関する確認書

賃貸物件の場合、不動産会社へ退去の連絡をすると、基本的には退去日から1週間以内に不動産会社立ち会いのもと一緒に室内の確認を行います。故意・過失によって起こった物件内の破損や、タバコによって染み付いた壁紙のヤニなど、例外項目に関する確認です。普通に生活をしている分には、ここで膨大な金額を請求されることはありません。「問題ありません。」として請求額0円というのもザラにあります。しかし、ハウスクリーニング費用、エアコンクリーニング費用については、入居期間の有無に関わらず請求される場合があります。

これらについては、何の根拠もなく請求されるということはありません。契約時に必ず上写真のような契約書、確認書に同意しているはずです。この場合だと、ハウスクリーニング代とエアコンクリーニング代で97,400円は退去時に最低でも敷金から引かれることになります。なお支払っている敷金の総額は198,000円です。

重要事項説明書「敷金等の精算に関する事項」

重要事項説明書においても敷金の清算方法については必ず記載されることとなっているため確認しておきましょう。

「原状復帰」はどこまでを指すの?

建物賃貸借契約には、「賃借人は物件を『原状』に回復して明け渡さならければならない」という決まりが盛り込まれています。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」における「原状回復」の定義を簡単にまとめると、以下のようになります。

  1. 通常に生活をする上で付いてしまうような傷については、賃料で補修するべきであり、賃借人(あなた)に責任はない
  2. 賃借人の使用状況などに問題があり、通常の生活では付かないような傷については、賃借人に責任がある
  3. 賃借人が借りた後、管理状況の悪さによって家屋が劣化した場合については、賃借人に責任がある

以下ではこれに該当する事例、敷金がハウスクリーニングなどの基本事項以外から引かれる要素について解説していきます。

①長年同じ場所へ洋タンスを置いていたため、足の部分がへこんでしまった

生活をする上で、洋服をしまっておくタンスは必要不可欠です。それを保持するためについた傷であれば、どんな生活の仕方をしていてもついてしまうと説明ができます。

そのため、洋タンスを引きずってできた傷跡や、洋タンスを叩きつけてできたような傷でない限り、原状回復の対象とはなりません。つまり、大家(オーナー)の判断で、洋タンスの置いた跡を直すために敷金を使うことはできないということになります。

日常生活を送っていたら避けられないような劣化(壁紙の日焼け、フローリングの色落ち)についても、賃借人の責任ではないと言えます。

②引越し中に壁に穴を空けてしまった

自分たちで引越しをしているときに穴を空けた場合はもちろん、引越し業者が作業中に穴を空けた場合でも、大家が責任を追及するのは賃借人(あなた)であるということを覚えておきましょう。

引越し業者が穴を空けたということが明確である場合は、引越し業者に責任を取ってもらうようにして、後日穴や傷に気付くといったことがないように、作業員と一緒にすべての部屋を確認してから新居へ出発しましょう。

③最初からついていたエアコンから水漏れ・部屋内の壁が腐食していた

自分で買ったエアコンのせいで腐食していた場合は、もちろん②の扱いとなりますが、最初から備え付けられていたエアコンのせいで起きた腐食については賃借人の責任となります。

エアコンの持ち主が大家であるとはいえ、実際に使っているのが賃借人である以上、保持の責任も賃借人にあるというように考えられているからです。

自分の持ち物ではないとはいえ、最初からついている家電に不調が見られたら、すぐに仲介・管理会社、又は大家に連絡し、どうするべきか指示を仰ぐようにしましょう。

引渡し前の掃除はしっかりやっておく

優良な仲介業者、あるいは賃貸契約後の「管理」までオーナーの間に入っている不動産会社であればほぼ問題になりませんが、契約後、素人オーナーと直の契約になるケースは、あなたが損をしてしまう可能性が高くなります。

原状回復のために必要な工事や清掃作業の費用は敷金から支払われ、原状回復後に残った敷金は大家から返してもらえるのですが、中には「原状回復のためにハウスクリーニングをかけるから、敷金は残らない」と言う独裁大家がマレにいます。

原状回復と言われると、何となく了承してしまいそうになりますが、賃借人が引渡し前にしっかりと掃除をおこない、上記の②や③に当てはまるような傷や劣化がない場合、大家に敷金でハウスクリーニングをかけさせる必要はないのです。

国土交通省で定めている「掃除」とはゴミの撤去、掃き掃除、拭き掃除、水回り、換扇、レンジ回りの油汚れの除去などのことであり、何も特別なことを求められているわけではありません。

確かに、レンジ回りの油汚れや風呂場の水垢など、そのままにして出ていかれた場合の大家の気持ちを考えれば、それらの掃除のためにハウスクリーニングをかけるというのは致し方がないと言えるでしょう。「原状回復」で賃借者が守られているのは、最低限の掃除をしたときであるということを忘れないようにしましょう。

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