そもそも「引越し料金」って何?
引越し業者の見積書はとにかく見にくいです。
なぜなら、各業者独自の見積書と造語を使って作成しているため、どこに何が記載されていて、何にお金がかかっているのか確認することが難しいからです。
しかし、どんな見積書であっても、引越し料金は車両人件費・付帯作業費・商品購入費の3つから構成されいてるため、見方とその基本さえわかってしまえば、素人でもその料金実態を確認することができます。
引越し料金の値引き交渉に相見積もりを取った方がいい理由は「他社の見積書を使って交渉できる」からです。しかし、何にどれくらいかかっているのかあなたが把握していない状態で営業マンに他社の見積書を渡しても、「あなたの言ってること間違えてますよ。うちの方が安いです。」などと痛い反撃を食らうことがあるかもしれません。
しかしこの3つについて最低限理解すれば、「根拠を持った値引き交渉」が可能となり、引越し業者にボッタクられることもなくなります。
引越し料金として計算される3つの項目
①車両人件費
まずはトラックチャーター代とドライバー(現場責任者)の人件費の合算料金、人件費には作業助手の人件費を明記している「車両人件費」です。
車両人件費は、引越し料金を抑える上で最も重要な項目と言えます。なぜなら、引越し料金の値引きは90%以上が車両人件費からおこなわれるものであり、そのほかの値引きはおまけ程度だからです。
引越しの相見積もりを取った際、「車両人件費」の欄があることを知っていれば、「作業員数が前の業者よりも少ないのに車両・人件費が高い」と言った細かい点に気付くことができるようになります。
こういった見方をすることができれば、営業マンへ「なぜさっきの業者よりも作業員が少ないのに料金が高いのか」という核心をついた質問を投げかけられるようになるため、値引き交渉がしやすくなります。
しかし、あなたの引越し料金の内訳が、出し値の時点で【車両人件費<その他合算料金】だった場合は大幅な値引きができないという点にも注意しましょう。
②付帯作業費
付帯作業費は、エアコンや洗濯機移設などの電気工事、荷造り・荷ほどきサービスなどのオプションサービスをまとめた料金のことです。引越しの見積書には必ず「付帯作業内訳」の欄があり、そこに何の作業をいくらで任せているか記載されています。
見積書を営業マンからもらった際には、あなたが要求した付帯作業がしっかり入っているか、要らない作業が入っていないかという二点に注意して見るようにしましょう。
当前ですが、引越し業者によって各付帯作業費の値段は異なります。そのため、「一番安い付帯作業費を提示している業者と同額まで値引きしてほしい」といった交渉をしていきたいところなのですが、付帯作業は引越し業者自体が作業をおこなうのではなく、引越し業者が専門業者に外注をして作業をしてもらうことが多いため、付帯作業は値引きをすることができません。
もちろん、付帯作業費の差分を車両人件費から値引きしてもらうことで、実質的な値引きはできると言えるのですが、値引き交渉を進めてギリギリまで値引きした後に「付帯作業費の差分を値引きしてくれ」と言っても、営業マンとしては困ってしまうのです。必ず値引き交渉の「序盤」で伝えるようにしましょう。
③商品購入費
引越し挨拶のギフトや家電、カーテンなど、物販に関する内容が「商品購入費」です。引越し業者から商品を購入すれば、当然引越し料金の一部として見積書に記載されます。
引越し業者の商品値引きに関しては、一個500円程度の引越しギフトを値引くということは難しいのですが、冷蔵庫や洗濯機など料金が高額な商品については、相談次第で多少値引いてもらえたり、引越し業者の商品カタログに載っていない型遅れの在庫を格安で紹介してくれる場合がありますので、一応相談してみる価値はあります。
また、どうせ引越し業者から家電などの高額商品を買うのであれば、車両人件費の値引き交渉の際に「おたくで家電を買うので少し引越し料金を値引いてほしい」と交渉してみるとよいでしょう。家電の単価は単身など下手な引越し一件分よりも高い場合が多いので、喜んで値引きしてくれるでしょう。
順序良く交渉すれば引越しの値引きは簡単!
以上のことをまとめると、引越し料金の値引き交渉時は、
- 付帯作業費の値引き交渉
- 車両人件費の値引き交渉
- 商品購入費の値引き交渉
この順番で行っていくのが効率的と言えます。
引越しの営業マンは見積もり中、引越し料金の合計金額ベースで説明や交渉をするため、あなたが説明を要求しなければ、その内訳の説明をしてくれません。
ただすべての引越し業者に対して内訳ベースの説明を求めていたら、それだけで膨大な時間を要することになるため、とても疲れてしまいます。投げやりな感情で引越し業者を選ぶことが無いよう、この最低限の3つの項目を覚えておき、効率よく値引き交渉を行っていきましょう。