なぜ引越し前日に冷蔵庫の電源を抜く必要があるの?
冷蔵庫の電源を抜いておいてほしい理由は、当日に抜くと結露が原因で冷蔵庫や周りの家財がびしょびしょに濡れる可能性があるからです。「霜取りが必要だから」という理由ではありません。
冷蔵庫は電源を入れていれば常時冷えているため結露が起きることはありませんが、電源を抜けば自然と結露が起こります。冷蔵庫内の結露は、時間が経てば冷蔵庫内にあるタンクの中に溜まるようできていて、冷蔵庫の大きさにもよりますが完全に結露が溜まりきるまでに約3~15時間ほど要します。
冷蔵庫の結露の量は意外と多く、冷蔵庫の電源を抜かずに引越し当日を迎えてしまうと、冷蔵庫の結露がタンクに溜まる前に移送されることになり、冷蔵庫がびしょびしょになってしまいます。
冷蔵庫がびしょびしょになってしまえば故障の原因を生みやすいのと同時に、トラックのコンテナ内で冷蔵庫を隣接する家財も一緒に濡れる危険性も出てくるため、冷蔵庫の電源は前日の夜に抜いておかなければいけないというわけです。なおタンクの中に溜まった水については、引越し業者の作業員が水抜きをしてくれるため、放置で構いません。
冷蔵庫に霜がついていると前日に電源を切るだけでは間に合わない
霜が大量に降りている状況の冷蔵庫を運ぶ場合は、冷蔵庫の電源を前日に切っただけでは間に合いません。そういった冷蔵庫は、事前に「霜取り」をしてから運び出してもらうようにしましょう。
冷蔵庫の種類には直冷式の物とファン式の物があり、一般的に直冷式の方が霜が降りやすいと言われています。
ファン式冷蔵庫は、冷蔵庫の温度調節ボタンの付近に「霜取りモード」のスイッチがある物が多いため、それを押すだけで簡単に霜取りをおこなうことができます。また、最新のファン式冷蔵庫は、そもそも霜が降りない構造の物もあります。取扱説明書に「霜取りの必要はありません」と書いてあれば何もしなくてかまいません。
手動で霜取りをおこなう方法
自動霜取り機能の付いていないファン式冷蔵庫や直冷式冷蔵庫は自分で霜取りをおこなう必要があります。冷蔵庫の霜取りは、以下のようにおこないます。
- 冷蔵庫の中身を取り出す
- 冷蔵庫の周りにタオルや古新聞を敷く
溶けた霜がポタポタと床に落ちる可能性があるため、冷蔵庫を囲むように濡れ防止のタオルや古新聞を敷くとよいでしょう。 - 冷蔵庫の電源を切り、扉を開けて放置する
- 霜をヘラで削り落とす
大体30分~1時間ほど放置すれば、霜を削り落とせる状態になりますので、プラスチックのヘラなどで優しく霜を削り落としましょう。ドライヤーを使っても良いです。 - 濡れた冷蔵庫を拭く
作業としては難しいものではありませんが、ただただ手間です。引越し前日の昼頃かそれ以前に作業することをおすすめします。「④」の作業で鋭利なものを使用し、仮に冷蔵庫内に穴を空けてしまうとガスが漏れ二度と冷えなくなってしまいます。
大事な家財を濡らさないためにも早めの対応を
大型の冷蔵庫の結露はあなたが思っている以上に量が多く、冷蔵庫の電源を切っていなかったために水濡れによる損害を受ける事例も頻繁に聞いています。同じ建物内での移動など、冷蔵庫が揺れる可能性が少なくすぐに冷蔵庫の電源を復旧できる場合などについては例外的に作業が不要になることもありますが、トラックを使って移動する場合は必ず電源を抜いておいた方がよいです。
引越し料金を安く抑えられたとしても、新居で冷蔵庫が故障して新しい物に買い替えることになったとしたら、無駄金を払ったような気持ちになりますよね。引越しをする際には冷蔵庫の霜取りや電源を抜くことを忘れないようにしましょう。