家電リサイクル法の対象家電
- 家庭用エアコン
- テレビ(ブラウン管式・液晶式(電源として一次電池又は蓄電池を使用しないものに限り、建築物に組み込むことができるように設計したものを除く。)・プラズマ式)
- 電気冷蔵庫・電気冷凍庫
- 電気洗濯機・衣類乾燥機
しかしこれらの回収も、引越し業者へリサイクル料金を支払う必要があります。
引越し業者が引き取ってくれる不用品
引越しの前に不要品を処分してしまえば無駄な物を運ぶことがなくなり、使用するトラックの削減にも繋がるため、できるだけ不用品は処分しておきたいところです。しかし、引越し業者で不要品の処分・買い取りを受け付けているかどうかについては気になるところです。
サカイ引越センターやアップル引越センターのサイトを見ると、不要品の処分・買い取りの対応をしていると書いてあるため、心配ないように感じますが、実態ベースでの話をすると、不要品の受付をしていると記載している引越し業者でも、すべての不要品を処分してくれる業者は極めて少ない現状です。
引越し業者が不要品を処分してくれなくなった理由
ひと昔前の引越し業者であれば、廃棄物処理に対する法整備が整っていなかったため、見積もり時に申告していなかった不要品でも処分してくれました。しかし、平成29年3月に廃棄物処理法の改正がなされてからは、家電リサイクル法の対象となる家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、エアコン)以外の家財は、引越し業者で処分することができなくなっています(一部例外)。
家電リサイクル法対象家電を引き取る際も、引越し業者は顧客からリサイクル料金を徴収する必要があります。しかし、2018年6月12日、サカイ引越センターがエアコンを顧客から引き取る際にリサイクル料金を徴収せず、そのまま金属スクラップ工場に使用済みエアコン957台を売りさばいていたという不正転売が発覚しました。
参考:家電リサイクル法に基づく勧告及び報告徴収の受領及び対応について (株式会社サカイ引越センター)
このように不用品を通じた違法行為は業者単位で行われることが多いため、非常に問題が多いのです。
そして引越し業者で不要品を処分できるかどうかは、引越し業者が契約している処分業者がどんな許可を得ているかによります。
不要品を処分するためには「一般廃棄物処理業許可」あるいは「産業廃棄物処理業許可」のどちらか認定を得ている必要があります。引越し業者の契約している廃棄物処理業者の多くは「一般廃棄物処理業許可」を得ています。
処理業許可 | 許可 | 対象 |
一般廃棄物処理業許可 | 市区町村長 | 家庭 |
産業廃棄物処理業許可 | 都道府県知事 | 事業 |
一般廃棄物処理業許可の適用範囲は、許可を受けた市区町村内だけです。つまり、あなたが新宿区から引越しする場合に出た不要品を、練馬区の引越し業者に任せて不用品を廃棄したら、その引越し業者は罰則を受けます。
引越し業者の多くは一つの市区町村を回っているのではなく、市や区を跨いで見積もりをおこなっています。そのため、すべての顧客の不要品を引き取っていたら当然に行政処分の対象となるのです。
それを受けて引越し業者として「練馬区の不要品は処分する。それ以外はダメ。」とやっていると、顧客に対して不平等ですよね。特に大手の引越し業者こそ風当たりが強くなるでしょう。そのため、引越し業者が不要品の受付をするときはすべての顧客に対応できるように、都道府県単位での業務を許可している「産業廃棄物処理業許可」を取っている処分業者と契約しなければいけません。
もちろん、契約している廃棄物処理業者が「一般廃棄物処理業許可」しか得ていないにも関わらず、家電リサイクル法で指定している家電以外を引き取る引越し業者がいるということも事実ですが、大手であればあるほど行政処分を食らうのを恐れているため、不要品の引き取りを断られることが増えます。
家財の買い取りは廃棄物処理法とは関係ない
引越し業者が「家財の買い取りをおこなっています」としている場合は、廃棄物処理をするのではなく、子会社のリサイクルショップなどで販売するために買い取っているため、問題なく対応してもらえます。
しかし、どんな家財であっても買い取りをしているわけではありません。引越し業者の家財買い取りは「購入から2~5年以内」「傷みの少ないもの」「ブランド物のみ」などの買い取り基準があり、基準を満たさなければ、買い取りをおこなっている引越し業者でも買い取ってくれない場合があります。
不要品を引越し業者に処分してもらいたいなら相見積もりは必須
不要品を処分するときの方法で最も楽な方法は引越し業者に処分してもらう方法です。もし引越し業者に処分を任せることができれば、不要品に対して手配や労力を割く必要がなく、家財を運ぶ感覚で不要品も持っていってくれるため、非常に楽です。
しかし、不要品を確実に、かつ法律に沿って処分してくれる引越し業者に出会えるかどうかは見積もりを取ってみないと分かりません。「不要品を処分してくれるから」という理由だけで引越し業者と契約するのは非常に危険な行為と言えますが、相見積もりを取ってどこも変わらないと思ったときの判断基準には十分使えるでしょう。
処分品の取り扱いは引越し業者によって千差万別です。その違いを吟味するためにも相見積もりは取るようにしましょう。