

引越し業者の営業マンとして働いていた立場から、引越し業者に頼めないこと・運べないものと、それぞれの代わりの手配の仕方をお伝えします。
この記事の結論(30秒で読めます)
- 標準引越運送約款では、貴重品、危険物、動植物・ピアノ・美術品・骨董品などは、業者が引き受けを断れる荷物とされている
- ペットや生き物の入った水槽は、自分で運ぶか専門の業者に頼む。観葉植物は「補償なし」の条件で運んでもらえることが多い
- 家具や家電の処分は、業者によって対応が違う。家電4品目は家電リサイクル法のルールで処分する
- どれも見積もりのときに伝えて確認し、別の手配が必要なものは早めに準備する
何を頼めるかは業者で違うので、何社か比べると選びやすくなります
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約款で「引き受けを断れる」とされている荷物
引越しのルールを定めた標準引越運送約款では、次のような荷物は、業者がその荷物に限って引き受けを断ることができるとされています(第4条第2項)。
| 荷物 | 例 | どうする? |
|---|---|---|
| 持ち運べる貴重品 | 現金、有価証券、宝石・貴金属、預金通帳、キャッシュカード、印鑑など | 自分で持って移動する |
| 危険品・ほかの荷物を汚すおそれのあるもの | 火薬類などの危険品、不潔な物品など | 中身を処分する、自分で運ぶ。迷ったら見積もりで相談する |
| 特殊な管理が必要なもの | 動植物、ピアノ、美術品、骨董品など | 専門の業者に頼む、自分で運ぶ、条件付きで運んでもらう |
出典:標準引越運送約款(国土交通省告示)第4条第2項。実際の扱いは業者ごとに違うので、見積もりのときに確認してください。
ピアノは、引越し業者が提携しているピアノ専門の運送業者に手配してくれることも多いです。見積もりのときに、ピアノの種類(アップライト・グランド)と、置く部屋の階数を伝えましょう。
ペット・生き物
犬や猫などのペットは、引越し業者のトラックの荷台では運べません。自分の車や公共交通機関で一緒に移動するか、ペットの輸送を専門にしている業者に頼みましょう。長距離の場合は、移動中の休憩や、新居に着いてからすぐ過ごせる場所も考えておくと安心です。
海外への引越しでペットを連れて行く場合は、国ごとに手続きがあるので、早めの準備が必要です(→犬・猫の海外引越しはどれくらい大変?)。
観葉植物・鉢植え
観葉植物も「動植物」にあたりますが、実際には「枝が折れたり傷んだりしても補償の対象外」という条件で運んでもらえることが多いです。大切な植物や小さい鉢は、自分で運ぶのが一番安心です。運ぶ前の準備はこちらでまとめています(→観葉植物・鉢植えの引越しはどうする?)。
水槽・熱帯魚・海水魚
魚やサンゴ、水草など、生き物が入ったままの水槽は運べません。水を抜いた空の水槽だけなら運んでもらえることが多いですが、生き物の移動と新居での水槽の立ち上げは自分で行う必要があります。
- 魚は、袋やバケツに水ごと移し、温度が変わらないようにして自分で運ぶ
- 新居で水槽の環境を整えてから、魚を戻す
- 大きな水槽や海水魚など、自分で運ぶのが難しいときは、アクアリウムのお店に相談する
家具・家電の処分
不要になった家具や家電の引き取りは、業者によって対応が違います。オプションで引き取りや買取を行っている業者もあれば、対応していない業者もあります。見積もりのときに「処分したいものがある」と伝えて、対応できるか、料金はいくらかを確認しましょう。引越しと不用品の買取を一緒に頼める業者もあります(→トレファク引越の評判は?)。
家電4品目は家電リサイクル法のルールで処分する
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目は、家電リサイクル法の対象です。粗大ごみとしては出せず、買ったお店や買い替えるお店に引き取ってもらうなどの方法で処分し、リサイクル料金と収集・運搬の料金がかかります。くわしい出し方は、住んでいる市区町村の案内を確認しましょう。
無料回収をうたう業者には注意
家庭から出るごみを回収するには、市区町村の許可が必要です。トラックで回りながら「無料で回収します」とアナウンスしている業者の中には、許可を持たずに回収し、あとから高い料金を請求したり、不法投棄したりするケースもあります。処分を頼むときは、市区町村の粗大ごみ回収や、許可を持った業者を選びましょう。


【元営業マンが解説】見積もりのときに確認しておくこと
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| ペット、水槽、観葉植物、ピアノがあるか | 運べるか、別の手配が必要かが決まる |
| 処分したい家具・家電があるか | 引き取りや買取に対応しているか、料金はいくらかが業者で違う |
| 貴重品は自分で運ぶこと | 約款で業者が引き受けを断れる荷物。万一のときも補償されない |
| 当日の自分たちの移動手段 | トラックには乗れないことがほとんど。車や電車の手配をしておく |
| 見積書に、運ぶもの・運ばないものが書かれているか | 当日に「聞いていない」とならないようにする |
引越し業者の営業マンも、すべてを説明しきれるわけではありません。頼みたいことは自分から聞くのが、当日のトラブルを防ぐ一番の方法です。見積書の見方はこちらでまとめています(→引越しの見積書で見るべき4つの項目)。約款の中身は、こちらも参考にしてください(→標準引越運送約款とは)。
まとめ:運べないものは「見積もりで確認して、先に手配」
- 貴重品、危険物、動植物・ピアノ・美術品・骨董品は、約款で業者が引き受けを断れる荷物
- ペットや生き物の入った水槽は自分で運ぶか専門の業者へ。観葉植物は補償なしの条件で運んでもらえることが多い
- 家具・家電の処分は業者で対応が違う。家電4品目は家電リサイクル法のルールで処分し、無許可の回収業者には頼まない
- トラックへの同乗はできないことがほとんど。見積もりのときに、頼めること・頼めないことを確認する
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