現場作業員はダンボールの重さをあまり気にしてはいない
引越し業者からダンボールをもらい、荷造りをしているときに気になるのが、「ダンボールにはどのくらい家財を詰めてよいのだろうか」ということではないでしょうか。
多くの方は、作業員が大変だからと、少し軽めにダンボールを作ってくれますが、実は作業員はダンボールを「重たいもの」として認識していますし、ダンボール以上に重たい冷蔵庫などを毎日のように持っているわけですから、ダンボールへ家財を入れる際に重さを気にする必要はありません。
さらに、ダンボール梱包をする上で、軽めにダンボールを作ってしまうということは、物損事故が起こるリスクを自分で増やしているとも言えるのです。
どうしてダンボールは軽めに作ってはいけないの?
ダンボールを軽く作るということを言い換えると、ダンボールと家財の間に「隙間」を作るということになります。隙間が多いと、小さな揺れだけで家財がダンボール内で倒れたり、家財同士で擦れあって壊れる危険性が増します。
さらに、軽いダンボールをもった作業員は、走ってダンボールを搬出入します。中身が動きやすいダンボールを、走って持っていくわけですから、なおさら物損事故のリスクが増えるというわけです。
作業員的にもダンボールは「重い」方がよい
重い物と軽い物を運ぶのであれば、もちろん軽い物を運ぶ方が楽ではありますが、引越し作業においてはそうも言い切れません。重たくて中身の詰まっているダンボールは、引越し作業においてとても便利だからです。
中身がしっかり詰まっているダンボールは、トラックに積んでいく際に土台にしやすく、下のダンボールが重ければ重いほど上が安定していきます。また、重いということは重心もしっかりとしているため、従来通りに積んでいけば荷崩れの心配もなく、安心して運搬がができるのです。
さらに、ダンボールを軽く作るということは、それだけ多くダンボールを消費して梱包していくということになります。作業員からすれば重たいダンボールを1回運ぶよりも、軽いダンボールを2回運ぶ方が体力的にはキツイのです。
つまり、ダンボールはできるだけ隙間なく詰め込むほうがよいと言えるのですが、ダンボールの形が変形するほどパンパンに詰めるのはやめましょう。ダンボールに詰め込めるキャパシティを超えて梱包してしまうと、底が抜けたり詰め込む際の勢いで家財が壊れやすくなります。
そのため、適正量としては、ダンボールを閉める際に指の第二関節分くらいの隙間を残して平行に詰め込むと、物損事故が起きるリスクが激減します。
さらに物損事故のリスクを減らすための工夫
お皿を入れる際は上下にタオルを敷く
お皿をダンボールに梱包する際は、引越し業者からもらえる緩衝材だけでは不十分です。お皿を包む緩衝材は、あくまでお皿同士が擦れあって壊れてしまうことを防ぐためのものであり、衝撃に対しては大して役に立ちません。
こちらはアート引越センターで無料でもらえる緩衝材。緩衝材と言ってもほとんど紙のような素材で過度な期待は禁物です。
衝撃に強くなるように厚手に巻くと、今度は幅を取ってしまいダンボールを余計に使うことになってしまいます。そこで、ダンボールの底と、ダンボールを閉めたときにできる隙間に薄手のタオルを敷いておくと、衝撃に対しても頑丈になります。さらにタオルには、中で家財が動くことを防いでくれる効果もあるため、壊れ物を入れる際にはもってこいの緩衝材なのです。
タオルの種類についてはどんなものでもよいですが、1回たたんだ時のサイズが、ダンボールの底に合うようなサイズが適しています
おもちゃ箱がある場合は中身を出さない
お子さんがいらっしゃって、おもちゃ箱の中身の梱包をどうしようか悩んでいる場合は、敢えてダンボールに移し替えず、おもちゃ箱からおもちゃが飛び出さないように密閉しておくだけで十分です。
おもちゃは細かい部品が多く、また無骨で梱包しにくいと思います。中途半端に梱包してしまうとかえって部品の欠損が起きやすくもなります。おもちゃ箱に入っている状態であれば、ダンボールと同じように積み上げることができますし、むき出しの状態ではないわけですから、衝撃に対しても心配はありません。
さらに、引越し後のことを考えると、ダンボールからおもちゃ箱へ入れ直すのは非常に面倒な作業です。おもちゃがおもちゃ箱に入ってるからといって、作業員が持って行ってくれないなんてこともないので、そのまま搬出してもらうようにしましょう。
荷造りのやり方が分からない家財はそのままにしておく
照明や観葉植物など、ダンボールに入るか入らないか微妙な家財については、作業員へ「この家財の荷造りができなかったので、お任せしてもいいですか?」と作業員に言えば、ちゃんと手伝ってくれます。
荷造りが終わっていなければ作業員が持って行ってくれないとはいえ、どう荷造りをしていいか分からないものを適当に荷造りした結果、物損事故が起きてしまうのでは本末転倒です。荷造りできない家財は無理をせずに、プロの手を借りるようにしましょう。