引越し業者は六曜によって料金を決めているの?
大安や仏滅などの「お日柄」は六曜と呼ばれ、この六曜を基準にして引越し予定日を決めようとしている方は「とても」多いです。若者や単身の引越しであれば全く気にならない人が多いのですが、やはり家族の引越しや、30代・40代以上の方々の引越しではこの六曜を気にされる方がたくさんいます。
見積もりに伺っても「大安だから高いの?」「仏滅だから安いでしょ?」と、お客様から聞かれました。実際のところ、引越し業者自体は六曜を気にしてはいません。大安だから高くしたり、仏滅だから値引きをするといったシステムも特にはありません。
しかし、六曜を気にしている顧客が多いという以上、「旅立つには良いお日柄」とされている大安は「何をするにも悪い日」とされている仏滅よりも先にトラックが埋まってしまうという傾向にあります。そのため、見積もりを取るのが遅くなるほど、六曜によって引越し料金が変わりやすくなるとも言えるのです。
なお六曜を気にするのであれば、大安に引越しをしたいという人は多いと思いますが、実は大安以外の六曜にも、吉日であると言えるタイミングが存在します。それさえ知っていれば、六曜を気にしながらもお手頃な日にちを選ぶことができるようになります。
六曜の種類と六曜ごとの吉日と言える引越しのタイミング
まず、六曜は先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6つであり、1日ごとにこの順番で巡ります。各六曜それぞれで、何をするのに向いているのか違うため、順に紹介します。
【先勝】午前中から動く
先勝は、即行動に移すことによって物事を良い方向に進めることができる日であると言われています。また、14時~18時の間に関しては凶であるともされています。
引越しに当てはめるのであれば、見積もりを取るのであれば午前中の内に、引越し当日であれば14時までに作業が完了すれば吉日と言えるでしょう。
先勝の日の午後に引越しの見積もりや作業を予約した場合は、午前中から起きて引越しにまつわる準備をすることで、吉を招き入れることができるとされています。
【友引】結婚に伴う引越しに向いている
友引には2つの意味があります。まず元々の六曜では何事にも勝ち負け(白黒)がつかない日とされていましたが、漢字の意味から禍いが友人にも及ぶともされていて、葬式には向いていない日とされています。
「白黒つかない=現状維持」ということで、結婚に伴う引越しなどについては友引を選ぶと良いでしょう。また、11時~13時の間は凶であるとされていますので、午前フリーと呼ばれる10時~14時にトラックが到着するような便は避けるべきであると言えるでしょう。
【先負】午後便を予約する
先負は、先勝とは逆の意味で、何事にも急がず慌てず、午後から動くことで吉を招き入れることができるとされています。また、午前中いっぱいは凶であるので、動かない方が良いと言えるでしょう。
そのため、午前中にはゆっくりと引越しの準備をして、引越し業者が来るのをどっしりと構えて待ちましょう。
【仏滅】実は引越しに向いている!
本来の仏滅の意味は、「仏も滅するような大凶日」という意味であり、何をするにも向いていない日とされています。しかし、引越しに関して言えばその限りではないとも取れるのです。
仏滅の元々の漢字は「物滅」であり、「物が一旦滅び、新たに物事が始まる」という意味があります。さらに、新生活を始めるなら大安よりも適した日であるともされているため、引越しにはもってこいの日なのです。
引越しに関しては上でも述べた通り、仏滅を避けて引越しを予約する人は多いため、引越し業者のトラックは通常に比べて余りがちです。そのため、多少見積もりを取るのが遅くなったとしてもトラックが手配しやすく、値引き交渉もしやすい日でもあると言えるでしょう。
【大安】人気日のため引越し料金が高くなりやすい
大安は、何をするにも良いお日柄とされているため、引越しにも向いている日であると言えるでしょう。
しかし上でも述べた通り、大安=良い日というイメージはやはり強く、六曜を気にして引越しを予約する人の大半は大安を選んでいるため、非常に人気があり、すぐにトラックが埋まってしまいます。
もちろん、引越し業者が大安だから値上げをするということはないため、大安に引越しをしたいなら早めの見積もり(引越し日の1ヶ月前程度)を取り、引越し料金が高くなるというデメリットを防ぐようにしましょう。
【赤口】引越し日に選ぶべきではない
赤口は、悩みをまき散らすため何事をするにも悪い日とされており、仏滅の次に縁起が悪いお日柄とされています。
仏滅については、隠された意味もあるため引越しに向いていないとは断言できませんが、赤口は11時~13時の間のみ吉とされているため、引越しにはまったく向いていません。
自分でダンボールのみの引越しをおこなう場合などは、短時間で済ませられる場合もありますが、吉の時間が2時間しかない以上、あまり選ぶべきではないと言えるでしょう。
引越しで本当に大事なのは六曜ではない
確かに縁起が良い日と悪い日では、縁起が良い日に引越ししたいと思うのは分かりますが、引越し業者を選ぶ際に「大安に引越しできる業者はここしかなかったから」というような選び方をするのは非常に危険です。
大安であっても引越し業者の質が悪ければトラブルは起きますし、仏滅に引越しをしても引越し業者の質が高ければ、トラブルが起きることは少ないです。
本当に大事なのは、「気に入った六曜で引越しができる業者」ではなく「信頼できる引越し業者」に任せることなのです。
六曜は他の占いよりも当たりやすいとは言われていますが、迷信の枠を出ることはありません。当たるか当たらないか分からないものを信じるよりも、サービスや営業マンの違いで引越し業者は選ぶようにしましょう。
お日柄 | 引越し料金 | ポイント |
先勝 | 普通 | 午前の引越しにおすすめ |
友引 | 普通 | 結婚に伴う引越しに向いている |
先負 | 普通 | 午後の引越しにおすすめ |
仏滅 | 安い | 実は引越しに最適なお日柄、料金も安い |
大安 | 高い | 引越し日としては人気、料金は高い |
赤口 | 普通 | お日柄として縁起が悪く、引越しにも向かない |
引越し料金が業者によって異なる理由
引越し料金は、各業者が所有しているトラックの稼働率で決まります。
引越しに欠かせないトラックを「会社に残す」ということは、最も引越し業者がやりたくないこと。上の表(例)でいうと、サカイ引越センターがトラックが余っていて、日通がトラックが足りない状況です。
しかし、トラックの稼働状況はどこにも公表されていないため相見積もりを取って自分で比較・調べる必要があります。確かに六曜は料金に影響しますが、全ての業者が同じようにトラックが不足・充足しているわけではありません。一社だけしか見積もりを取らず、仮にトラックが少ない業者を引いてしまうと、思いもよらない料金を請求される可能性があります。
そのため、一度使ったことがある引越し業者で信頼しているとしても毎回見積もりを取得する必要があるのです。